内容説明
人間の生きざまに興味をしめした一匹のキツネが、仙人のもとで修行、数かずの術と共に不老不死と人間に化ける術も習得。白狐魔丸という仙人ギツネとして生まれかわる。このキツネが、日本史上の大きな事件や英雄たちと遭遇し、人間がなぜ人間同士殺しあうのかという疑問の答えを探し、時を旅する大河タイムファンタジー。小学校高学年から。
著者等紹介
斉藤洋[サイトウヒロシ]
1952年、東京都小岩に生まれる。中央大学大学院文学研究科修了。亜細亜大学教授。『ルドルフとイッパイアッテナ』で講談社新人賞を受賞。その続編の『ルドルフともだちひとりだち』で野間児童文芸新人賞を受賞。路傍の石幼少年文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
さつき
79
今回は戦国時代。白狐魔丸は雅姫に連れられて信長に会うことになります。長い年月が過ぎても、以前の恋人の面影を追い求めてしまう雅姫の気持ちはよくわかる。復讐に夢中の時は過ぎて、心に隙間風が吹いているのかな?と思うと彼女が可哀想になります。反対に白狐魔丸の気持ちは依然として掴みつらいです。誰に肩入れするわけでもなく、歴史の流れを見守り続ける様子を見ると彼自身が仙人になってきたような…2020/09/09
わっぱっぱ
34
不思議だな。きつねと一緒に歴史を見つめてみると、戦国が過去のものとは思えない。私たち今も似たようなことやってるし、信長の残忍さも、通じてるところあるよなと。起きた事実そのものよりも、そこに至るまでの人間の機微を全体から(色んな立場から)均しく見ているからか。きつねよ、愛想尽かさんでね。そうは見えないかもしれないけど、我々、これでも明日を良くしよう、よく生きようとしてるんだよ。そして仙人さま何処。早く帰ってきてきつねに笑いかけて下され。2017/11/13
りらこ
22
歴史の表舞台に出て名前が残っている人にも興味があるけれど、そこにうまく架空の人物を絡ませることでリアリティが出る歴史小説。このシリーズは不老不死の狐が主人公なのだけど、当初よりも人に関わることに前向きで自然になっている。武士のことも戦いも嫌いな白狐魔丸だけど雅姫の動きをみて人の感情にも理解を深めているのがわかる。人智を超えた存在に対しても理解して受け入れる信長の知見は戦国時代の人として卓越しすぎているのではないか。まぁそもそも信長の持つモノサシはあの時代から飛び出しているけれど。さて次巻も読もう。2022/08/13
ヤマセミ
22
戦が嫌いなのに、京が好き。不動丸が、歴史の動きが気になるで、ついつい人間の歴史に寄り添ってしまう白狐魔丸。人がいいというか狐がいいというか。無意識のうちに魂憑依の神通力を身に着けてパワーアップ。分厚い児童書でしかも歴史ものというのに、まったく飽きさせず読み終えた。次作も楽しみ。2016/09/11
みーまりぽん
19
楠木正成との別れからおよそ230年ののち、15代にわたった足利将軍の世もついに終わりを迎える。足利家への復讐を終えた雅姫に誘われて、白狐魔丸は織田信長という男を見に岐阜へと向かう。 ・・・というわけで、今回の舞台は「ルドルフとイッパイアッテナ」でもおなじみ(?)の岐阜の町。自分が子どもの頃を過ごした場所が舞台というだけで嬉しいような心持ちになるのはなんなんでしょうかね。 あと、善住坊のエピソードが出てくると川谷拓三さんを、ついでに根津さんを思い出してしまいます。当時は親と一緒になって結構大河ドラマ観てた。2015/01/10
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