岩波文庫
鎖国〈上〉―日本の悲劇

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 367p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784003314432
  • NDC分類 210.5
  • Cコード C0121

出版社内容情報

太平洋戦争の敗北によって「実に情けない姿をさらけ出した」日本民族の欠点――「科学的精神の欠如」――への反省の試みとして企てられた壮大な歴史的考察.新航路・新大陸発見による「世界的視圏の成立」という大きな歴史的展望の中で,西洋近代文明との出会いを自ら鎖した日本の知的悲劇が活写された名著. (解説 生松敬三)

内容説明

太平洋戦争の敗北によって「実に情けない姿をさらけ出した」日本民族の欠点―「科学的精神の欠如」―への反省の試みとして企てられた壮大な歴史的考察。新航路・新大陸発見による「世界的視圏の成立」という大きな歴史的展望の中で、西洋近代文明との出会いを自ら鎖した日本の知的悲劇が活写された名著。

目次

前篇 世界的視圏の成立過程(東方への視界拡大の運動;西方への視界拡大の運動)
後篇 世界的視圏における近世初頭の日本(十五、六世紀の日本の情勢;シャビエルの渡来;シャビエル渡来以後の十年間)

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

10
科学的精神の欠如(13ページ)。厳しい日本人の弱点。国家が世界からひきこもった鎖国は、現代のひきこもりの人を笑えないのではないか。ひきこもりとは、いじけているともいえるわけだから。和辻先生の「風土」だけでなくて、鎖国の否定的側面も指摘していたのは知らなかった。大航海時代のことも書いてあり、江戸時代だけで片付く問題でないことがわかる。名誉は富よりも大事にされる日本は、多くが貧しいので欧州とは違うのだと(311ページ)。シナ文化は日本文化の母胎(324ページ)。閉ざさず、柔軟な発想で外に開くことが重要だろう。2012/12/28

シンドバッド

8
高校時代の世界史・日本史という教育の悪さなのか、その後の不勉強の為か、16世紀を世界での日本という観点で考えたことが全く無かった。 それをダイナミックにかつコンパクトに展開している。2015/03/01

黒い森会長

1
日本が鎖国に至った経緯を、世界史的視点から考察した文化史的哲学の書。歴史書に見えても哲学書です。前編は、「大航海時代」を描く。ヴァスコダガマの喜望峰、インド航路の発見とインドの植民地経営。コロンブスの新大陸発見。コルテスとピサロのアステカとインカの征服。そしてマガリャンス(マゼラン)の世界一周とフィリンピン征服。実は、岩波に「大航海叢書」というコレクションがあり、気にはなっていたが、とても読めない。代わりと言えば簡単すぎますが、自分には十分な内容でした。後編は切支丹史。2017/05/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/379340
  • ご注意事項