金融政策の効果測定 - 銀行理論と因果推論による再検証

個数:1
紙書籍版価格
¥5,720
  • 電子書籍

金融政策の効果測定 - 銀行理論と因果推論による再検証

  • ISBN:9784766430691

ファイル: /

内容説明

1999年2月に始まった長い金融緩和の期間に講じられた非伝統的金融政策、特に2013年4月から執行された大規模緩和政策は、どれほど効果的だったのか。黒田東彦氏の後をうけて日銀総裁に就任した植田和男氏は就任1年後の2024年3月に量的・質的金融緩和を解除し、金融政策を「正常化」へと移行させつつある。元に戻すことが進むべき道なのか、それとも非伝統的金融政策に再び逆戻りするのか。この時点で双方の政策の効果と限界を再検討し、それぞれの政策を再評価しようというのが本書の趣旨である。

本書はこの再評価の手法として、これまで先行研究で用いられてきた手法とは異なるアプローチで分析を進める。理論分析においては銀行部門を明示的に記述した産業組織モデルを用いる。金融政策分析の際にしばしば用いられるニュー・ケインジアン・モデルには「銀行部門」が入っていないものが多いが、本書のモデルでは信用創造のメカニズムを内包した「銀行部門」を分析し、それだけでなく、伝統的・非伝統的な金融政策を包括的に扱うことで、近年のさまざまな金融政策手段の問題点を浮き彫りにすることができる。

実証分析では、近年発達の著しい因果推論を用いて分析を行う。特に、章ごとに異なる手法を用いるため、計量経済学の副読本として読んでいただくこともできる。用いる手法はパネルデータ・モデルと操作変数法、バンチング推定、傾向スコア法、中断時系列分析、シンセティック・コントロール法、差分の差分法、回帰不連続デザインである。

金融政策研究のフロンティアを切り拓く一冊。

目次

第1章  金融政策とはどのようなものか
第2章  産業組織モデルによる伝統的・非伝統的金融政策の理論分析
第3章  伝統的金融政策の再検討
第4章  準備預金制度は銀行の制約になるか
第5章  インフレ・ターゲティングは世界金融危機時に役割を果たしたのか
第6章  黒田バズーカが家計の借入意思に与えた影響
第7章  日銀のETF買入政策は株価を引き上げたか
第8章  日銀のETF購入が企業パフォーマンスに与える影響
第9章  日銀のマイナス金利政策は銀行貸出を増加させたか
第10章 金融政策に何を求めるべきか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Hidetada Harada

4
週刊東洋経済の書評から。中央銀行の実施した政策の効果は曖昧。逆効果だったものさえあるとのこと。かと言って中央銀行が不要かといえばそうではないと思う。市場の行き過ぎを防ぐため、自身の限界をわきまえつつ最善の努力を行う役割を担うべき。本来、中央銀行自身が自らの政策の結果をレビューし公開するべきではないのか。学者出身の植田総裁には黒田バズーカについてそれを期待したい。2026/02/08

シエナ

0
日銀の金融政策を数値的に再検証を行っている。改めて数字で示されるとどこに効果があり、どこに効果が無かったかその効果の有無が明確になり非常にためになった。数式の内容はそれなりにハードだった。2026/01/11

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/22926653
  • ご注意事項

最近チェックした商品