内容説明
5人の少女が姿を消した。群馬と栃木の県境、半径10キロという狭いエリアで。同一犯による連続事件ではないのか? なぜ「足利事件」だけが“解決済み”なのか? 執念の取材は前代未聞の「冤罪事件」と野放しの「真犯人」、そして司法の闇を炙り出す――。新潮ドキュメント賞、日本推理作家協会賞受賞。日本中に衝撃を与え、「調査報道のバイブル」と絶賛された事件ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
671
「ごめんなさいが言えなくてどうするの」/(本文より)間違ったら謝罪してやり直せばいいだけの事なのに、間違いを認めないのはかっこ悪いなって思う。警察24時に出てくる正義の警察も、情報操作のためのキャンペーンなんじゃない?と疑ってしまう。拷問のような方法でやってもいない罪を自白させ、あなた犯人ですって、そんなあやふやさで一人の人間の人生が奪われてしまうなんて。痴漢冤罪もそうだけど、たとえ無罪になっても、その人の人生は取り戻せない。こんなのがまかり通っているのなら、明日には私も殺人犯にされてしまうかもしれない。2018/07/21
鉄之助
585
無罪と無実は、全くべつのもの! 「DNA鑑定がほぼ一致した」ということもあり得ないことだった。今までDNA鑑定だと思っていたことが、「DNA型鑑定」だった。初めて知った事が多かった。「科捜研」と「科警研」の違いも知らなかった。地を這うような取材に裏打ちされたノンフィクション、に圧倒された。2023/07/11
mitei
562
この事件は菅谷さんが最後に釈放されて冤罪事件と分かって一件落着。真犯人は分かっていないものと思っていたが、実際はある程度分かっていながら、他の事件で同様のDNA鑑定を行って死刑執行した事件の揉み消し、冤罪で菅谷さんを誤認逮捕した後でもう一件同様の殺人が発生していると言う深い闇がそこに広がっている事を初めて知った。ここまで杜撰な捜査で誤った死刑判決を出しているのなら、この国では法治国家ではなく前近代的なことしか出来ていないのだと気付かされた。死刑はこんな捜査が行われる以上執行出来ないと強く感じた。2016/06/29
三代目 びあだいまおう
504
かつてこれ程憤りを感じた読書があっただろうか!北関東で実際に起きた連続幼女誘拐殺人事件を追う壮絶なノンフィクション。犯人は捕まっていない!私は1人の主張で物事を判断しない。疑問があれば必ず複数の関係者からニュートラルに情報収集してことにあたる。その意味では本書も『著者1人が紡ぐ···』なので、迂闊に鵜呑みにはしない。しないが···。あまりにもお粗末な警察、検察、司法の隠蔽気質に憤りを禁じ得ない❗お前達の保身意識のせいで凶悪犯罪者は今も私たちの近くでのうのうと生きている!叫びたい‼️守るべきは何かと‼️🙇2019/03/28
ミカママ
424
いろんな思いが錯綜して 、感想は難しい。ひとりでも多くの人に読まれますように。2017/01/20