Six of Crowsの続編(で完結)。お店にあったPAPを購入。前作で難攻不落のIce Courtに忍び込み、頼まれた「もの」を盗み出す作戦に成功したKazと5人の仲間たち。最後に裏切られ、重要メンバーの一人が誘拐されてしまう。本作ではその巻き返しを図るが状況はどんどん悪くなり、すべてを失うかに見えるが、また一世一代の大逆転を狙っていく。YA作品だけれども作戦の巧妙さや背景となる街の仕組みは大人の本顔負け。一方で6人それぞれに悩みがあり、それが徐々にオープンになるところはとてもYAっぽい。大変面白かった。そういう本に限ってすぐにシリーズ完結してしまう。
話題の小説 United States of Japanを読むための予習で購入。第二次大戦で日本とドイツが勝利し(イタリアはどうなったのだろう)、アメリカは敗戦国に。東側をドイツが、西側を日本が占領する。ユダヤ人は徹底的に迫害され、発見されると即収容所行き。西側に住む米系白人のほとんどは日本人の顔色を窺いながら生きている。ロケットでほんの45分ほどでヨーロッパからアメリカに旅する技術がある世界なのに、人力車が使われているような矛盾もある。なんだか日本らしいアナクロニズム。 大筋のプロットがあり最後には大きな事件が起こるが、一番の読みどころは主人公たちの心の中の動き。異文化理解もテーマかもしれない。明らかに白人のアメリカ人古美術商の言葉づかいが日本風に染まっているのにぞっとした(たとえば主語を省いた話し方など)。逆にいえば、日本にはどれほどアメリカの価値観や言葉づかいが入ってきてたんだろう。