この頃洋書で類書が増えてきた、人工知能や高機能ロボットが人間の仕事を奪うという説を取り上げた本。著者のスタンスは「人工知能に出せない能力があるから人間は大丈夫」。実際に人工知能を使った業務は急速に増えていて、アメリカのウェブニュースに載っているスポーツ試合の結果速報や株価関連の多くは人工知能で書かれているそうだし、ホワイトカラー鉄板の職種である弁護士も、米国では人余りになりつつある(システムで検索できるようになり、判例調査などに若い下っ端を使う必要がなくなってきた)。 そんな中で人間の一番の武器は「他者に共感する能力」と「集団になり協力して何かを生み出す能力」。いまのところは人工知能に同じような技量はない。さらに、人間は社会性のある動物ほかの人間を常に求めるものだから、全ての仕事が人工知能に乗っ取られることもない、というような事も書いてある。分かったような分からないような、でも大変ポジティブな本。同時期に出た「Rise of the Robots」も読んでみたい。