読書という航海の本棚＞ラヴクラフト - 紀伊國屋書店ウェブストア｜オンライン書店

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洋書 Tales of H. P. Lovecraft

この本との出会いは、私にとっては事件で…

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タグラヴクラフト

和書ユリイカ〈２　２０１８（第５０巻第２号）〉 - 詩と批評特集：クトゥルー神話の世界－ラヴクラフト、ＴＲＰＧ、恐怖の哲

雑誌『ユリイカ』がラヴクラフトの特集を…

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雑誌『ユリイカ』がラヴクラフトの特集を組んだのは、本書で２回目だと思う。手元には『増頁特集＊ラヴクラフト』（1984年10月号）がある。そして、2018年の2月号。今回購入した『ユリイカ』の背表紙には『クトゥルー神話の世界』と印字されていて、ラヴクラフトの名前はあるものの小さい書体だ。TRPGと恐怖の哲学という二つの分野が続く。
　1984年版では副題「幻想文学の彼方に」のとおり、小説としてのラヴクラフト作品の紹介と論考など掲載されている。米国の孤独な怪奇物語作家が創造した古の異形のものたちが潜む禍々しい世界が、その魔力に魅せられた人々によって、間違いなく、広められてきている。クトゥルーの世界は、現代の「神話」になった。この30年でおきた大きな変化である。
　ラヴクラフトとは1975年の２月、創元推理文庫のー冊で出会った。それ以来、読み漁ったDel　Rey社の原著（紀伊國屋ウェブストアで注文可）の他、古本のペーパーバックや研究書、若い作家の作品等が、狭い書斎の片隅を占拠するようになった。そこが、私にとっての「クトゥルーの世界」である。
　そこへ、新たな書籍が加わった。単なる追加ではなく、拡張である。小説にとどまっていた魔物達は、TRPG(tabletop　role-playing　game)という遊戯にも変身した。確認はしていないが、数多いクトゥルーの神々もフィギュアになってくるだろう。類似の世界観のアニメも増えてきている。
　本書では、また、現象論的な考察もある。哲学としての視点からは、忌み嫌いながらもなぜか魅せられる「恐怖」というものの根源を暴きだす糸口が見えてくるようにも感じられる。
　私が好きな作品は「エーリッヒ・ツァンの音楽」。この短編では、不思議な演奏が、窓の外に広がる深淵な暗黒空間へと主人公を引き込もうとする。このようなラヴクラフトが垣間見た日常生活の背後にある異空間が、あらたな媒体を得て、この世を再び支配しようと胎動し始めたようだ。
　なお、本書はウェブストアで購入したが、今は、注文できなくなっている。私が入手したのが最後の一冊だった。クトゥルーの導きがあったのかもしれない。

タグクトゥルフ神話、ラヴクラフト

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和書 ユリイカ 〈２ ２０１８（第５０巻第２号）〉 - 詩と批評 特集：クトゥルー神話の世界－ラヴクラフト、ＴＲＰＧ、恐怖の哲

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