紀伊國屋書店出版部7月の新刊『その〈脳科学〉にご用心ーー脳画像で心はわかるのか』
fMRI(機能的磁気共鳴画像法)の開発以降、脳科学の進歩は目覚ましく、マスメディアで取り上げられる機会も多々あります。ただ一部では、「買わずにいられない脳」「恋愛脳」「政治脳」など、伝える際に単純化されることにより、雑に扱われてしまっている現状もあります。
本書では、マーケティングの理論に神経科学を組み込んだ〈ニューロマーケティング〉の現状や、裁判に持ち込まれる脳画像のもたらす問題などを、豊富な事例とともに解説することによって、脳科学の濫用による弊害を浮き彫りにし、「脳科学の知見によれば」と言われるだけで人々が信じ込んでしまう〈神経中心主義(ニューロセントリズム)〉へ警鐘を鳴らします。
今後ますます脳科学の重要性が高まっていくなか、しっかり「脳科学リテラシー」を身につけておくために、是非とも読んでおきたい一冊です。