紀伊國屋書店出版部11月の新刊『わが町・新宿』

昭和2(1927)年に21歳の若さで新宿の地に書店をおこした田辺茂一は、書店業にとどまらず、同世代の作家たちと「文藝都市」「行動」などの文芸誌を主宰、さらには開店時から階上に、当時はまだめずらしかったギャラリーを設け、時には作品を買い上げるなどして、若き才能を支援しました。
戦後の再建を経て、1964年には紀伊國屋ビル(現新宿本店)を竣工、書店内に劇場・画廊を設けたビルは話題となります。
晩年は"テレビ文化人"として「夜の市長」を自称しながらも、文芸誌「風景」や地域誌「新宿プレイマップ」などに携わり、"新宿文化"を育むとともに、企業の社会還元について意識的な姿勢は終生変わりませんでした。
その田辺茂一が"新宿"の町について、自らの生い立ちと仕事について、軽妙な筆で綴った随筆(サンケイ出版、1976年刊)に、新たに、坪内祐三氏の解説、ならびに井伏鱒二、吉行淳之介など田辺茂一と交流のあった28名の文章を付して、このたび復刊しました。

わが町・新宿

わが町・新宿

紀伊國屋書店出版部
2014/11/28発売
ISBN : 9784314011242
価格:¥2,160(本体¥2,000)

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「いろんな人々が集まったほうがいい。
僅かの歳月に根をはった伝統に価値はない。
それより新宿は、小さな排他性のないところを特色としたい」



2014.11.11 出版