内容説明
幕末に近代日本の礎を築いた幕臣、小栗忠順(ただまさ)。井伊直弼に見出され、遣米使節として米国の先進性を目の当たりにした「負けぎらい」の俊才は、横須賀製鉄所の建設や陸海軍の充実、幕府財政の管理に辣腕を振るう。しかし維新の渦にのみこまれ、やがて「逆賊」として悲劇の運命を辿り――小栗ほか河井継之助(つぐのすけ)、松平容保(かたもり)、新選組や彰義隊など、熱き信念を貫いた男たちの葛藤と激闘を描く幕末作品集。(解説・木村行伸)
感想・レビュー
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ケンイチミズバ
55
官軍とは、そもそも朝廷の兵か、薩長の兵か、拙者にはわかり申さぬ。幕府方も薩長に負けず勤皇の精神を持っている。つまるところこの戦いは政権争奪の戦に過ぎない。それなのにどうしてそちらが官軍でこちらが賊軍なのか。戦というものは、いつの世にも、こうして引き起こされるものであったよ。官軍の一部隊をあずかる長というからには、いま少しましな男かと思うたが、あの岩村という軍監は、まるで小便臭い子供だ。新政府も手不足なのだなあ。最後に口にされた維新の矛盾を突く言葉の数々。有能な人材をいたずらに失わせた。無益な血を流して。2026/11/04




