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内容説明
地球上の争いはすべてエネルギーが絡んでいる。
深化・複雑化する エネルギーを巡る戦い。
その実態と日本の解決策を提示する。
ウクライナでの戦争も、中東でのたび重なる衝突も、米中の戦略競争も、欧州のグリーン政策の迷走も、サウジアラビアの未来都市構想も、そしてあなたの家の電気代の値上げも。ばらばらに見えるこれらの事象は、「エネルギー」という一本の補助線を引いてみると、驚くほど鮮やかに連動した一枚の絵として浮かび上がる。
その一枚の絵こそが、本書が「新・世界エネルギー戦争」と呼ぶにふさわしい、現代に固有の戦いの姿である。アメリカ大統領、ロシア大統領、中国国家主席、サウジアラビアの皇太子。世界のリーダーたちは、軍事力、外交、制裁、そして資本の力を使って、エネルギーをめぐる主導権を奪い合っている。(はじめにより)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
まーくん
84
著者は東電、経企庁(出向)、日立製作所に勤務。燃料調達、エネルギー政策、原子力事業と、幅広くエネルギー業界に携わっている。その実務経験も踏まえて、現在の地政学的構図を「フルセット型エネルギー国家」、即ち米国、ロシア、中国という資源、技術、資本の全てを自前で持つ三大国と、それに挟まれる「持たざる三地域」即ち欧州、中東、日本という、エネルギー戦略上、何かを決定的に欠いた状態にある地域という、六グループに分けられるという。エネルギーの種類としては石油、天然ガス(特にLNG)、石炭、原子力、再生可能エネルギー。⇒2026/09/06
よっち
22
戦争も電気代もグリーン政策といった事象は、エネルギーという一枚の絵として浮かび上がる構図を実務者が解説する1冊。石油は自由だが制御できずガスは管と船で戦場が違い、石炭は悪者にされても安全保障では残る。米国、ロシア、中国という資源、技術、資本の全てを持つ三大国と、欧州・中東・日本という何かを決定的に欠いた状態にある地域には差があり、世界のリーダーたちはエネルギーを巡る主導権を奪い合い、次善の策を模索している現狀。日本への国家が資源を取りに行く、近隣で備蓄と情報を共有して省エネで勝つという提言は現実的ですね。2026/09/14
horabook
5
★★★★★:論点が明確で、アメリカ、ロシア、中国、中東のエネルギー戦略の解説もとてもわかりやすい。そのうえで日本のエネルギー戦略のどこに問題があり、今後どうすべきかという提言がなされている。後半、もしこのまま何もしなければこんな未来になってしまうのではないかという部分がある。日々の暮らしが突然壊れることはないにもしても、少しづつ衰退していくのではないかと。まさにそのとおりだと思う。電力自由化は明らかに失敗だと思うが、もう元には戻れない。エネルギー安全保障の観点からの本書の警告は非常に重い。2026/09/22
こだまやま
3
エネルギーを切り口にすると国際問題がだいぶわかりやすくなる、戦争という言葉はまったくメタファーでないというのがよくわかる。欧州の理想と、三大国のリアリズムが対照的で面白い。2026/10/05
通風亭
2
エネルギー畑に長年関わってきた著者による世界のエネルギー最新情勢を分析した書。石油、天然ガス、石炭、原子力、再生可能エネルギーについて裏事情も含めわかりやすく解説。フルセット型エネルギー国家と名付ける覇権国家米国、ロシア、中国の他、欧州、中東の状況も分析、国家的戦略のない日本は資源敗戦国と結論付け、終章で日本が生き延びるため提案を4つあげ、危機を煽るつもりはないが危機から目を背けないでほしいと締めくくっている。読みやすく達者な文章でほぼ一気読み、身近な生活と直結するエネルギーの未来について考えさせられた。2026/08/15
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