内容説明
江戸から東京へと近代都市に発展するなかで、多くの感染症が流行した。中でも明治に致死率の高さで恐れられたコレラの伝搬経路、流行状況はいかなるものだったのか。また、なぜ大正・昭和になっても腸チフス・赤痢が蔓延したのか。上下水道など衛生インフラの整備や防疫対策、人びとの啓発活動の展開を追い、都市の衛生環境を考える。
目次
感染症流行からみる近代都市史―プロローグ
江戸から東京へ 都市人口と死亡リスク
大都市・東京の形成
都市における死亡率
コレラの襲来と公衆衛生
コレラの襲来
コレラと衛生行政のはじまり
衛生環境対策
東京のコレラ流行
コレラ流行の地域差―明治二八年流行を中心として
都市の環境要因をさぐる
東京のコレラ対策
急場の防疫態勢―明治一〇年代のコレラ対応
衛生行政の整備と軋轢―明治後期
都市の衛生環境改革の模索
腸チフス流行と大正期東京の都市環境
腸チフスの流行状況
衛生インフラの整備
赤痢流行と昭和戦前期東京の都市生活
赤痢の爆発的流行
都市生活と赤痢予防
戦後から現在へ―エピローグ
あとがき
参考史料・文献
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
123
多くの人が集まる場で感染症が広まるのは新型コロナで再確認された。産業が集積し対外交際や交易の中心となる近代都市は、とりわけ温床になりやすい。とりわけ明治国家の首都として急激な近代化が推進された東京では、幕末以来コレラが流行し多くの死者が出た。そこに公衆衛生思想が生まれ、防疫行政に関する組織や法整備が進んだ。しかし大正には腸チフスが、昭和には赤痢が発生するなど東京の歴史は衛生環境整備の遅れを取り戻すのに必死だったのが明らかになる。極度の清潔さが当たり前の現況だが、そんな時代はむしろ異例なのだと教えてくれる。2026/10/12
佐治駿河
42
図書館本。東京の人物の推移から始まり、江戸時代後期移行の流行り病であったコレラ、腸チフス、赤痢の流行りの状態が書かれいる。どの伝染病も水を介するのでその対策が必要であったが当時は原因が定かではないため対策も不十分であった。海外の話ではあるがコレラは瘴気説があった事は知っていたが、瘴気が原因として高地と低地に住む人の罹患率の違いにスポットを当てて調査した事があったのは興味深い。確かに低地の方が罹患率が高い傾向であったと結果が出ている。現代人からすると水が原因であることは知っているのでこの結果は納得しかない。2026/09/23
Teo
2
疫学から見た東京での感染症の広がり方とその時代の対応方法について。COVID-19が猖獗を極めた時にXで疫学と微生物学の区別がつかない人に絡まれて迷惑したが、疫学は微生物(バクテリアやウイルス)がどんな機能でどう発病するか【ではなく】社会全体でどう言う経路などで感染してどう防ぐか(防疫)を考える。2026/10/29
ナツ
2
明治時代の日本の感染対策の奮闘ぶりがよく分かり面白い! 主にコレラが中心ですが、コレラ菌が原因と判明するまでは色々と対策を考えて右往左往しつつ、戦後GHQの手も借りて感染対策法を突き止めるまでは映画のように思える2026/10/21
-
- 洋書電子書籍
- American Presidenti…
-
- 洋書電子書籍
-
南東欧の山岳地帯の持続可能性
S…




