内容説明
昭和史を彩った生涯を描く、時代・風俗考証の第一人者による決定版評伝!
明治、大正、昭和、平成と四つの時代を生きた宇野千代(1897-1996)。その生涯は戦争を挟み、日本人の生活感覚が大きな転換を遂げた時期と重なっている。尾崎士郎や東郷青児、北原武夫らとの華やかな恋愛遍歴が注目される一方で、私小説に描かれなかった実像にはこれまで光が当たってこなかった。
雑誌『スタイル』の編集や手がけた着物のデザイン、そして生涯を通じて書き続けた作品を貫く「昭和モダニズム」の美意識とは何か。和から洋へと移り変わる日本人の価値観に、いかに影響を与えたのか。
近代日本の生活文化に精通する歴史学者が、膨大な史料を精査し、素顔の宇野千代に迫る。
関連年表・著作一覧付きの、朝ドラ「ブラッサム」モデルの決定版評伝!
■作家デビューから尾崎士郎との出会いの真相
■小説から服飾デザインまでを貫くモダンな美意識はいかに育まれたか
■『スタイル』は「日本初のファッション誌」ではなかった? その真の独自性を徹底検証
■和から洋へ変化する戦後の価値観に宇野千代が与えた影響とは
目次
第一章 岩国の海老茶式部
第二章 文士たちのモダンライフ
第三章 昭和モダニズムと戦争
第四章 焼け跡からの再生
第五章 昭和の終わりとモダニズムのゆくえ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
せらーらー
3
朝ドラ『ブラッサム』の主人公のモデル。ドラマで描かれる事象は千代と同じでも、思い込みの強さは本家にはかなうまい。ドン引きの男性遍歴。千代の美しさと運の強さは、本人の生きていく道を、複雑にカラフルに時には山あり谷ありに切り開く力となった。しかし持ち前の美的感覚と文学の才能は運ではないと思う。つらいことや苦しみ、その最たる戦争すらも真に受けず、うまく肩でいなす能力があったのかも。『ブラッサム』では太平洋戦争を矮小化して描かれないか心配している。千代は戦争中、それほど苦労せずに済んだ。これも運の強さかな。2026/10/31




