内容説明
【推薦】白石正明さん(編集者)
「大変なものを読まされてしまった。
夜明け前の食鳥処理工場で顔までべっとり血と汚物にまみれ、
午後には風の谷の鶏舎でヒヨコとともに陽を浴びる一人の小柄な女性。
彼女が語り出したのは、「生き物」と「食べ物」をつなぐ壮大なスケールの、
とびきり自前の人類史だった。
生と死が風車のようにくるくる回っている。
私はもはや感動が追いつかない。」
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〈命をめぐり、考え、生きた日々の記録。〉
リストラ失職した夫が「養鶏しようかな」と言う。では最後は肉か?
と資格取得のため食鳥処理場に通い始めた。
夥しい数の鶏と働く人々。
私たちの肉はこんなふうに支えられていたのか。
感謝や驚きとともにさまざまな〝なぜ〟も湧きあがる。
ある日、同僚に訊ねようと顔を覗き込んだとき、何かちがう気がした。
この問いは社会に向けるものではないか──
〈『山と獣と肉と皮』『ニワトリと卵と、息子の思春期』に続く最新刊〉
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【目次】
序章 それは見てはいけないものか?
第1章 踏み越えて、向こう側へ
第2章 なぜここは
第3章 ニワトリと卵とお金と、殺すこと
第4章 変わりゆく中で
第5章 どこへ向かうのか
あとがき
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
114
「養鶏しようかな」と言う夫の一言で始まる養鶏場経営。早速、資格取得のため近くの食鳥処理場で働く著者。鶏掛け・首切り・中抜きなどの作業を、血や体液や内臓物に塗れながら経験する中で知ったのは、後期高齢者と障害者と外国人による最低賃金での職場。「こんな凄い仕事があったのか」と感動する著者と働く人たちの健気さに、何度も鼻の奥がツンとなる。そういうものに目を背ける現代社会だが、著者は決して第三者的に批判しているのではない。むしろ、その業の尊厳をしっかりと認識した上で、自らの養鶏業に勤しむ姿勢が、胸に熱く迫ってくる。2026/07/21
シナモン
108
スーパーで売られている鶏肉のパック。もちろんそれはかつて生きていた鶏の肉だし、それをこのような状態にまでしてくれている人がいるってことは頭では理解していたけど、具体的なことは何も知らなかったのだと打ちのめされた。食鳥処理場の描写は圧倒的で胸が苦しくなる。誰かが殺してくれなければ肉というものを口にすることはできない。その「誰か」は機械でもAIでもなく一人ひとり感情ある生きている人間。そうした方々によって自分の毎日が成り立っているのだということを忘れてはならないと強く思った。2026/07/30
けんとまん1007
60
まさに「鶏まみれ」。以前、手にした豚・牛が肉になるまでや、牛革になるまでの本を想い出しながら、ページをめくる。人がスーパーで肉を買い、卵を買い食らうこと。そこに至るまでのことが、ますます見えにくく(隠す・・・かも)なっている。知らないことには想像もできない。知るきっかけすら、無いことにしようとする風潮。そんな中での意味のある一冊。繁延さんの本は、これまでも読んできたが、これからも手に取っていきたい。2026/09/21
りんご
42
考える要素の多い、とてもいい読書でした。不快なものは目に入れたくない。健やかな気持ちを保つためには嫌なものから離れるべき。どんどんそういう方向に向かってると思う。お肉、美味しい。動物、かわいい。この中間、動物をお肉にする工程が「ある」を前面に出すのは不愉快なのか。チャボだかニワトリだかが実家の牛舎に共生してて、雄鶏に襲われたことも思い出しますね。2026/07/30
はっせー
41
※本書は食鳥処理工場で働く様子をまとめた部分があります。そのためリアルな解体シーンや写真などが挿入されています。その旨ご理解のほどよろしくお願いいたします。本書は著者の繁延あづささんが体験した内容をまとめたもの!私としては、レコードのような雰囲気でした。A面・・・夫が養鶏を始めると言ってからの日常的。B面・・・食鳥処理衛生管理者を取るために食鳥処理工場で働く様子。A面のテーマは「家族の成長と苦悩」 B面のテーマは「命をいただく場とそこに勤める命」かなと思う。2026/04/22




