内容説明
愛する映画と“おれの人生”について
タランティーノが語り倒す
怒濤の37万字。
自伝であり、映画批評であり、ハリウッド・ゴシップ集であり、70sカルチャーへの賛歌であり──そして映画愛をぶちまけるマシンガンでもある大著。
1963年生まれのタランティーノは、いかにして恐るべき映画マニアとなったのか? 母親とともに大人向けの映画を見まくり、『明日に向かって撃て!』のラストのストップモーションにとまどい、母のボーイフレンドに連れられて映画館にただひとりの白人の子供として黒人映画を初体験し、映画館通いがはじまる。
『ゲッタウェイ』『ブリット』『ダーティハリー』『タクシードライバー』などの名作から、『組織』『ローリング・サンダー』『ファンハウス 惨劇の館』などの偏愛作まで。
──1972年、その映画館にいる白人は9歳のおれだけだった。
──あのころ耐えられなかった映画はあるか? ある。《バンビ》だ。
──ハーヴェイ・カイテルのいない『タクシードライバー』を想像できるか?
──《ローリング・サンダー》は人物研究とアクション映画のこれまでで最高の組み合わせだ。
──ボグダノヴィッチほど食い気味のコミカルな会話がうまい監督は同時代にいなかった。
──スタローンの最高傑作は『ロッキー2』だ。
あふれる映画愛と、演出家/脚本家としての稀代の才能とセンス、ハリウッド・ゴシップにフィルムメイカーたちの肉声も総動員、ハイテンションで語り倒す!
饒舌な注釈つき!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Sam
49
タランティーノが撮った作品についての本だと思って手にしたので肩透かし。タイトルに偽りなしなので勝手に勘違いした自分のせいなんだけど。それはさておき、本作ではタランティーノの少年時代の映画遍歴が綿々と綴られており(自分にとっては縁遠いものが多かったのだが)、その(ある意味偏った)嗜好が分かって興味深かった。特にセリフに対する拘りというか感性はタランティーノ独特のものがあるのだと思う。それにしてもシルベスタ・スタローンの脚本家としての評価というのは新鮮だった。「ロッキー」を思い返せばなるほどと思うけど。2026/09/18
まぶぜたろう
19
ニューシネマを経て、映画小僧が闊歩する70年代に至るアメリカ映画史を、個人史と重ねて語るのが素晴らしい。人種差別についての記述はピンとこないのだが、デ・パルマはジャンル映画のファンではないと断ずる<悪魔のシスター>、マックイーンを通じて描かれるペキンパー論、「捜索者」を参照した(小柄なソングライターじゃない)ポール・シュレイダー論が特に面白い。「もっとも好きな続編の一つ<がんばれ!ベアーズ特訓中>」といった含蓄深い言葉が混じるのもいい。そして固有名詞の羅列に過ぎる最終章に泣き笑い。誰だよフロイドって。2026/08/02
fritzng4
8
面白い。取り上げられた映画は殆ど70年代アメリカ映画ばかりだが、自分史と偏愛の映画史、そしてタラが自ら作った映画群が分かち難く結び付いている。『ローリング・サンダー』好きさあまりに電話帳片手に片っ端から「ジョン・フリン」に電話をかけ何とかつかまえ会いに行くエピソードが印象深い。もっと自分語りの色が濃いのかと思いきや、意外にも冷静かつ客観的な映画評論をやっている。「おれの映画人生」というタイトルに恥じない、映画また映画の37万字。俺の好きなドン・シーゲルの『テレフォン』をこき下ろされて些かイラついたけど。2026/07/23
タナー#2
7
もう30年ほども前になるのか…。初めて「パルプ・フィクション」を観たときの衝撃は、今でもハッキリと思い出す。もともと映画は好きだった私だが、あの作品で映画の概念というか、映画の観方みたいなものが明らかに変わった。以来、私はタランティーノ・ファンを自認している。作品も何度も観ている。この本を読んで、映画好きの少年が如何にしてQ.タランティーノという芸術家へと成長していったのかが、ちょっとだけ分かったような気がする。自分も好きな「ダーティハリー」や「ロッキー」等の作品をQTが熱く語っているのも興味深い。2026/07/27
satoshi
3
タランティーノの自伝込みの評論本。作品毎に彼の蘊蓄が炸裂していて面白かった。作品というよりその周囲についての語りも多め。視点も面白い。2026/11/05




