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内容説明
ストーカー行為を重ねる男を描いた「情痴もの」作品で知られた作家の本格評伝。
私小説の極致に痺れるか忌避するか、こんな人生もあるのだ。
「ストーカーというのはいわば禁断症状で、相手と一緒の時、ないしは希望を持って接していた時に出ていた脳内物質が遮断されることから起こるものである。」(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
12
近松秋江という作家も今日ではあまり読まれない私小説作家である。「情痴文学」と呼ばれ、男が別れた女に未練たらしく付きまとい、居場所を突き止め、不意に訪問したり、近所に引っ越したりする話が多い。現代だと立派なストーカー行為で法律で罰せられるが、明治時代にはなんでもなかったようだ。近松は昭和に入ると生前から「過去の作家」扱いをなかばされていてそんなに本は売れなかった。『水野越前守』に代表される歴史小説を執筆するがこれもさほど評価されなかった。最期は昭和19年に老衰と栄養失調で死んだ。享年69。本書は近松2023/02/27
Gen Kato
3
『黒髪』連作、読んだときはおもしろく感じたのだが、こうして現実の姿を描かれると近松秋江の罪深さがリアルに伝わってきてつらい。女性たち、逃げ回ったり病んだり。被害者であり犠牲者だ。近松自身は好き放題生きているのにな。犯罪者の評伝のように読みました。2024/06/26
yoyogi kazuo
1
ストーカー小説「悲望」の著者による「ストーカー文学の王」近松秋江の評伝。筆致は冷静でオーソドックスともいえる内容。正直な所客観的過ぎて物足りなさが残る。短いが小島信夫の評伝の方が読みごたえがあった。2021/06/17
山天
0
久米正雄に続き近松秋江の伝記を読む。この人は久米正雄と違って、通俗小説をあまり書かなかったようだ。いつも手元不如意で、晩年は視力も失われていく。その様が悲しかった。最初の「妻」大貫ますとのことを書いた「別れたる妻」連作はぜひ読みたいと思う。 2025/09/11




