内容説明
祟る水
障る水
海、川、湖、池、井戸、コップの水……
水と水辺の怪異談!
拝み屋の老婆を幾重にも囲む漁師たち。
「あいつはどこに沈んで…」
老婆は数珠を手にしばし沈黙した。
「海の中の穴にいる」
――「穴の奥」より
海、川、地底湖から風呂、飲料水まで、水に纏わる恐怖体験を集めた怪奇録。
床下に井戸がある家。活水脈を跨ぐ家相は次々と凶事を呼んで…「井戸のある家」
夜の渓流釣りで根掛かりをおこした釣り針。糸を辿った先にあったのは…「廃線の鉄橋」
悪化した嫁姑関係。解決の糸口は嫁の夢に現れる川の光景に…「姑との縁」
通常は市場には卸さずハネるという化け蟹。問題は獲れた海域に…「蟹」
波が打ち寄せる岸壁の洞穴に祀られた神様。正月の儀式で何が…「ガマの宝船」
防波堤のコンクリに並ぶ13の水が入ったコップ。その理由とは…「並んだコップ」
傘立てにあった持ち主不明の赤い傘。なぜかいつも水滴がついていて…「赤い傘」
自衛隊駐屯地の三番浴室に出る怪…「三番目の風呂」
他、したたるほどに怖い35話収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
62
実話怪談集。二人の著者による水をテーマにした競作。海の怪談、川の怪談、果てはタクシー幽霊の濡れた座席に至るまで、水というのは怪談と相性がいいのでどう料理するか楽しみに読む。中には「三番目の風呂」みたいにテンプレみたいな話もあるけど、大体どれも趣向が凝らされており読み応えあり。「アロワナ」とか人怖にすればとんでもなく怖い作品になりそうだけど霊による怪異に留めたのを見ると、人怖系はもう旬を過ぎたのかとちょっと寂しくなったけど。他にも因果応報系の「縁切りの水」や理不尽系「赤い傘」等、バラエティに富んでました。2026/07/20
ネムコ
16
やはり西浦和也さんの作品の方が読みやすい。水の怪といってもいろんな切り口の話があって楽しかった。2026/09/03
なー
8
綺麗な表紙だなと思って読んでみた。なんというか、怖いというよりは、何といえばいいのか…。宮沢賢治の『雁の童子』を思い出した。雁の童子には『どんなものでも いのちは悲しいものなのだぞ』という一文が出てくる。それを思い出した。ところで、ファンキー中村さんという方を初めて知ったけれど、物事に対する水平な目線が優しくてとても良いと思った。2026/08/09
澤水月
6
いのちについて考えさせる話多く。ファンキー中村さんの後書き,全面同意。人の思いを踏み荒らす、想像力や畏敬のないものはダメだと思う… 海の底に蠢くものの話はいつ読んでも怖い。井戸や地下水脈も2026/07/10
日常茶飯事#1117
3
水にまつわる怖い話ということで、水というキーワードから多様な話があり面白かったです。でもやっぱり海にまつわる話は怖くて興味深いですね。2026/08/02




