集英社文芸単行本<br> メソポタミアのボート三人男

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集英社文芸単行本
メソポタミアのボート三人男

  • 著者名:高野秀行【著】
  • 価格 ¥2,420(本体¥2,200)
  • 集英社(2026/06発売)
  • ポイント 22pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784087700398

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内容説明

川旅は土地のいちばん低いところを行く――。
トルコ東部のティグリス=ユーフラテス川上流域をボートで下る辺境作家(高野秀行)と探検家(山田高司)。彼らの行く手には予想もしない出来事や人々が立ち塞がる。そして第三の男の正体は?
自然と文明、名言とぼやき、危機と笑いが交錯する前代未聞の川旅ノンフィクション。『イラク水滸伝』のB面的側面を、たくさんの写真とイラストでお送りします。

■目次
プロローグ トリアーナの舟
第一章 川の源はトラブルの源
1-1ユーフラテス川源流はゲリラの拠点
1-2衝撃の出発
1-3妖精一家のマネージャー
1-4メン・イン・ブラックの惨劇
1-5トルコし苦労の村
第二章 不条理な人生、理不尽な旅
2-1ムシュで虫になる
2-2ハンマームでエビになる
2-3橋の下をたくさんの水が流れた
第三章 世界でいちばん美しい川
3-1知られざるトルコ最大の「秘境」へ
3-2多次元宇宙ダルスィム
3-3奇跡の聖地ムンズル
3-4大きくなった妖精たち
第四章 アレヴィーの聖なる楽器サズ
4-1「趣味」を調べることなかれ
4-2幻のサズ奏者を探せ!
4-3サズとアレヴィーとコミュニスト
第五章 川と歴史は遡るべし!
5-1非常識なほどの紆余曲折
5-2人類の歴史を塗り替える遺跡
5-3ディープグルメ vs ディープヒストリアン
5-4火と水の都ディヤルバクル
第六章 ティグリス川 世界最後の舟旅
6-1超巨大ダム湖に沈む川
6-2川の番人「バクチ」
6-3濁川芭蕉も涙する夕べかな
6-4大峡谷の探検
第七章 異世界のメソポタミア
7-1「江戸ポタミア」の舟旅
7-2十条のメソポタミア
7-3真逆のクルディスタン
第八章 帰ってきたボート三人男
8-1鳥の目、虫の目、タヌキの屁
8-2王様の川下り
8-3ソウルフードをめぐるささやかな体験
8-4ロストロストロスト

【著者プロフィール】
高野秀行(たかの・ひでゆき)
一九六六年、東京都八王子市生まれ。ノンフィクション作家。
早稲田大学探検部在籍時に書いた『幻獣ムベンベを追え』をきっかけに文筆活動を開始。「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」がモットー。アジア、アフリカなどの辺境地をテーマとしたノンフィクションのほか、東京を舞台にしたエッセイや小説も多数発表している。〇五年『ワセダ三畳青春記』で第一回酒飲み書店員大賞、一三年に『謎の独立国家ソマリランド』で第三五回講談社ノンフィクション賞、一四年同作で梅棹忠夫・山と探検文学賞、二四年山田高司とのチームで「イラクの巨大湿地帯(アフワール)探検」により、2023植村直己冒険賞、同年『イラク水滸伝』で第三四回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

156
『イラク水滸伝』でティグリス=ユーフラテス川の河口付近を探索した高野さんが、今度はトルコ東部の源流地帯をリポートする。プロの探検家と1人乗りのボートで川を下るのだが、現地ガイドも加えたおっさん3人組の珍道中に大笑いさせられる。軍とクルド人過激派が衝突しイスラームの異端派が多いなど政情不安な印象しかない土地だが、長く秘境とされてきたため世界から観光客が殺到し急速に俗化していく有様には呆れるしかない。現地人は人懐こく旅人を歓迎し、ほとんど情報のないイラクのクルディスタン地区に関する話もあるなど内容充実の1冊。2026/08/05

たま

90
『イラク水滸伝』でティグリス・ユーフラテスの河口湿地帯(イラク)を旅した高野さんが、その二つの川の上流(トルコ東部)を先輩の山田さんと旅する。山田さんの挿絵が豊富にあり、また地理や生物に詳しくプレートの解説など成程と思わされ、トルコ東部デルスィムのアレヴィー派の紹介も面白い。ただイスラム圏は女と男では見聞が違うと感じる。女は家庭の奥に通され男も女も一緒にくつろげる。長期にわたり何回かに分けて旅行し、その間にこの地域の観光地化が進んだようでそれも興味深い。トルコの経済、PKKとの和平交渉の進展が窺える。2026/08/30

サンダーバード@読メ野鳥の会・怪鳥

72
【2026-111/図書館本-72】前作『イラク水滸伝』の後編、あるいはB面のようなルポ。舞台はトルコ東部、ティグリス川・ユーフラテス川の上流域。高野さんと前作にも同行した山田高司さんが川を下る。当然、単なる「雄大な川下り」ではない。トルコとイラクで異なるクルド人の立ち位置や、アレヴィーと言う宗教とクルド人の関係、現地の楽器サズなど、実際に現地に足を運ばなければわからない情報が興味深い。辺境探検隊家高野さんのルポは、いつもただ「面白い」だけではない。★★★★2026/08/16

読特

68
プレートが移動して、大陸にぶつかる。大地が隆起して、山になる。風が当たって、雨が降る。水が流れて、実りがある。人が暮らして、社会ができる。2つの川に挟まれた最古の文明。…空気を入れて水に浮かべる。船の種類は「パックラフト」。下っていけば、出会いがある、村に暮らす人々と。お邪魔して、ご馳走され、もてなされて。計画通りとはいかず、順風満帆ではない旅。行き当たり、ばったりしても、面白おかしく話を伝える。衝突を避け、向きを変え、万物を利して、最も低いところを行く。数値にせず、時代を錯誤し、見放された自由を楽しむ。2026/07/27

さつき

61
トルコのティグリス=ユーフラテス川をボートで下る旅。水深2〜30センチの泥の川や、美しい清流、もうすぐ巨大ダムに沈む大峡谷など多様な川旅が綴られています。現地の人達との交流もたっぷり。想像を絶する出来事もいっぱいです。読了後には冒頭の「川旅は土地のいちばん低いところを行く旅」という言葉がいっそう沁み渡る気持ちです。2026/07/27

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