内容説明
「代表制は直接民主主義の次善策」という“直接民主主義の神話”を根底から問い直す。
今の日本では、政治家は信用できないという人は多いし、民意の重要性を強調する人もいる。そういう人に出会うと、「僕は政治家を信用しているのだけれど」とか、「民意なんて本当にあるの?」と聞いてみたくなる。
逆も同じで、政治家を信用している人には「政治家のどこを信用しているの?」と聞きたいし、民意の愚かさを説く人には「民主主義を否定するっていうことですか?」と問いかけたくなるのだ。
この本は、私のそうした迷いや疑問を、学問の言葉を利用しながら表現しようとしたものだ。(「はじめに」より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
田畑
5
K先生が薦めていたので一読。代表民主制の意義を思い知らされた。直接民主主義の代替物では、ないのだ。2014/09/15
馬咲
4
代表制の本来の意義を確認し、政治家不信の高まりから議会制不要論=直接民主制称揚に向きがちな世評に対し一石を投じる一冊。直接制であっても「如何に民意を形成するか」という課題に直面する点は同じ。シュミットが自由主義にのみ当てはめた多様性への関心は民主主義も前提としている要素である。「民意」というものが個々の市民が考える以上に流動的で不明瞭だからこそ、一度民意を制度的に有権者から切断した上でその中身を議論できる代表制には、今日一層細分化し見通しの悪い民意の内容判断の点で、直接制には無い積極的意義があるとされる。2024/04/17
Ra
2
「論点を明確にするために極端な形で表現するならば、代表制の特質は、そして代表制の意義は、直接民主制と比較して民意を反映しないことにあるのであり、民意を反映しないことによって民主主義を活性化させることにあるのである」(194頁)。代表制は、「直接制の劣化代替物」ではなく、固有の利点があって且つ直接制とは対立ではなく補完(著者は「並列」と表現するが)する関係というのがメインメッセージ。2018/08/19
〆さば
1
良書。いずれ再読したい。2015/08/23
虫食い侍
0
政治学徒は必ず読むべきだろう。 首相公選制と熟議民主主義を手がかりに、代表制に内在する矛盾する二重性をむしろ積極的に擁護しようという試みである。正直現状の政治への無関心や貴族政的な堕落への解答とはなっていないが、しかし他の選択肢がそれらの応答として完璧で有効な手立てではなく、代表制を基盤とした制度的なアプローチの必要性を感じた。とても良かった。2025/08/20




