内容説明
合格の喜び,恋人との別れ,故郷への思い,若妻の愁い,老いの悲しみ,自由な生き方へのあこがれ,心に染み入る美しい風景….たった四行の漢詩「絶句」は,ときに晴れ晴れと,ときに甘やかに悲しく,私たちを豊かな世界へ誘います.漢詩を読むための基礎知識もしっかり解説.中国文化を知る手かがりにも.
目次
I 絶句を知ろう
1 詩のかたち
2 唐詩の時代区分
3 詩をつくる人々
4 日本人と漢詩
II 絶句を読もう
1 小鳥さえずる春の朝――孟浩然「春暁」
2 月光のもとに故郷を思う――李白「静夜思」
3 去年と同じ春――杜甫「絶句」(江碧にして)
4 柳の色がさそう悲しみ――王昌齢「閨怨」
5 夢破れて老いる――張九齢「鏡に照らして白髪を見る」
6 合格の喜び――孟郊「登科の後」
7 竹林の静寂――王維「竹里館」
8 雨に募る恋人への思い――李商隠「夜雨 北に寄す」
9 世界の果てまで拡がる光景――王之渙「鸛雀楼に登る」
10 寒山寺の鐘の音――張継「楓橋夜泊」
11 悲壮な別れ――駱賓王「易水送別」
12 燃えるような紅葉――杜牧「山行」
13 月の夜,舟は下る――李白「峨眉山月の歌」
14 恋人との別れ――杜牧「別るるに贈る二首」其の二
15 限りなく美しい夕日――李商隠「楽遊原」
あとがき
関係年表
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yomineko💖avec ヴィタリにゃん💗
63
漢詩が大好きです。特に「故人西の方黄鶴楼を辞し」という中学生の時に習った詩を未だに忘れません。著者は従来の意味も記しながら、ご自身の意見も加えておられて面白かったです。それにしても、科挙って大変だったんですね💦競争率3000倍とか😨2022/01/07
さとうしん
13
漢詩はこう読む、こうも読めるという読解の手本。取り上げられているのは15首の唐詩、それも絶句に限られているが、最初の孟浩然「春暁」で、「暁を覚えず」というのは孟浩然が役人でないことを裏に含んでいるという解説ではや引き込まれた。2021/03/07
おとん707
9
しばらく中国雲南省を旅してきたが中国語のできない私にとって本当に役に立ったのが漢字。もちろん現代中国の漢字は簡略体で日本のそれとは違うし意味だって日本と中国では違う。例えば「國破レテ山河在リ城春ニシテ草木深シ」の城は日本で言う城ではなく壁に囲まれた街のこと。今回麗江古城を訪れてそのことがよくわかった。こんな風に漢詩を学ぶことは現代中国語の理解の助けにもなりそう。この本はたぶん高校生向けに書かれたもので、先生が生徒に丁寧に語るように漢詩のポイントを教えてくれ、読んでいるだけで興味が湧く。実用書でもある。2025/12/10
活字の旅遊人
9
これを高校時代に読むような人だったらなあ。
spica015
6
漢詩の中でも代表的な絶句について、丁寧に分かりやすくその魅力を読み解いている。漢詩が伝える情景・状況をただ解説するだけではなく、漢字の持つ意味、中国の文化や歴史、日本への影響等への言及もたっぷりとあり、楽しく学べるのが良かった。当然といえば当然だが、解釈もたくさんあったりして面白い。中国語は全然分からないが、漢字の羅列から得られる印象、流れるようなリズムの読み下し文、作者の思いを直截的に伝える現代語訳、色々楽しめて日本語はお得だなぁと思った。岩波ジュニア新書はクオリティが本当に高い。2015/06/29




