内容説明
2010年10月。宮城県の港町に暮らす高校2年生の小羽、航平、凜子は家族の介護と家事に忙殺され、鬱屈を抱えていた。だが、町にやって来た女性・青葉が、小羽たちの孤独に理解を示す。彼女との交流で3人が前向きになっていった矢先、2011年3月の震災により全てが一変してしまう。2022年7月。看護師になった小羽は、震災時の後悔と癒えない傷に苦しんでいた。そんなある時、彼女は旧友たちと再会。それを機に、過去や青葉が抱えていた秘密と向き合うことに……。第14回山田風太郎賞を受賞した感動長編を、書き下ろし掌編などを加えて文庫化。/解説=瀧井朝世
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
25
宮城県の港町で母の介護に忙殺される日々を送る高校2年生小羽。孤立した日常を送る彼女たちが、町に引っ越ししてきた女性・青葉と出会う物語。祖母を介護する航平や、アルコール依存症の母と弟の面倒を看る凛子としか共有できない彼女たちに寄り添ってくれた青葉。震災によって全てが一変した日々と震災時の後悔、癒えない傷。10年後かつての仲間との再会から過去に向き合おうと決意する彼女たちは、孤立した日常からは解放されましたけど、過去と決別したわけでもなくて、忘れずに抱き続けてきた様々な想いには強く心が揺さぶられる思いでした。2026/08/03
バーニング
5
作家が宮城出身でヤングケアラーと3.11をテーマにした小説だと知って読んでみたがほかにも医療観察法、強度行動障害、AYA世代、パニック症、そしてリカバリーと医療、保健、福祉に関わるトピックが豊富に散りばめられており、そのどれもが強度がある。参考文献が豊富に挙げられているところも含めて単にトピックを散りばめたというスタイルではない。個人的に精神保健福祉士の勉強をしている最中に読むにはベストの一冊でした。お見事。2026/08/20
てったん
3
ヤングケアラーと東日本大震災、書名からも決して明るい感じは無い小説で、考えることも多かったですが、著者自身が看護師さんのようで、医療用語の説明なども非常にうまく文中に書かれており、良い作家さんと感じました。 青葉さんにどこかで生きていて欲しいと思います。とても良い小説でした。2026/08/12
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