筑摩選書<br> 「政治家」昭和天皇 ――本当に象徴だったのか

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筑摩選書
「政治家」昭和天皇 ――本当に象徴だったのか

  • 著者名:小宮京【編著】
  • 価格 ¥1,925(本体¥1,750)
  • 筑摩書房(2026/07発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480018557

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内容説明

最新研究と新資料でいま明らかになる
天皇の実像

戦後の政治外交史研究においては、天皇・皇室そのものを論じることは稀であり、いわば「天皇なき戦後史」が常態化している。歴史学系と政治学系の研究の狭間にあって空白地帯になってきたからだ。そこで本書は、日本国憲法のもとで昭和天皇は本当に象徴だったのか、つまり、天皇は政治外交に関わっていなかったのかを、第一線の研究者の最新の知見を結集して問うものである。昭和天皇の政治外交との具体的な関わりを通じて、「政治家」としての実像を浮かび上がらせることを目指す。

【目次より】
はじめに――なぜ昭和天皇と戦後日本の政治外交を論じるのか(小宮京)

第一章 『昭和天皇拝謁記』を読み解く――治安維持の観点から(中澤俊輔)
1 昭和天皇と共産主義
2 地方巡幸の警備問題
3 血のメーデー事件と破防法成立
おわりに

第二章 昭和天皇の岸信介批判――石橋湛山の岸信介宛私信をめぐって(増田弘)
1 石橋の僅差での逆転勝利
2 石橋・岸対立の本質
3 岸首相宛の石橋書簡発出
4 昭和天皇の岸批判の真意
5 石橋書簡の評価と意義

第三章 岸信介と安保改定――皇室のアイゼンハワー訪日中止要請をめぐって(井上正也)
1 安保改定と皇室
2 安保闘争の激化
3 岸政権の退陣

第四章 昭和天皇の御下問を読み解く――皇室の未来と政治との関わりをめぐって(小宮京)
1 皇室の未来を憂慮する
2 政治との関わりを模索する
おわりに

第五章 昭和天皇と田中角栄――皇室と政治の攻防(舟橋正真)
1 天皇訪米問題
2 内奏漏洩事件
おわりに

第六章 三木武夫と昭和天皇――解散総選挙をめぐって(竹内桂)
1 日本国憲法下の衆議院解散
2 三木武夫と昭和天皇の関係
3 昭和天皇在位五〇年記念式典と衆議院解散の問題
おわりに

第七章 「おことば」外交――昭和天皇の和解と苦悩(服部龍二)
1 鄧小平来日と昭和天皇――福田内閣期
2 全斗煥来日と昭和天皇――中曽根内閣期
3 「戦争責任」の呪縛
おわりに

コラム1 「天皇メッセージ」と主権(河野康子)
コラム2 内奏とは何か(小宮京)
コラム3 「おことば」とは何か――昭和天皇の「意思」とのあいだ(内藤一成)

あとがき(小宮京)
人名索引

目次

はじめに──なぜ昭和天皇と戦後日本の政治外交を論じるのか 小宮京/第一章 『昭和天皇拝謁記』を読み解く──治安維持の観点から 中澤俊輔/1 昭和天皇と共産主義/昭和天皇と日本共産党/東久邇宮の場合/日本共産党と食糧メーデー/2 地方巡幸の警備問題/田島道治の宮内庁長官就任/警衛体制の見直し/3 血のメーデー事件と破防法成立/血のメーデーと煙突事件/破壊活動防止法の成立/北海道巡幸への期待/おわりに/第二章 昭和天皇の岸信介批判──石橋湛山の岸信介宛私信をめぐって 増田弘/1 石橋の僅差での逆転勝利/窮地に立たされた石橋の「奇策」/昭和天皇の発言がもたらしたもの/2 石橋・岸対立の本質/対照的な二人の不思議な「縁」/「共闘」「離反」そして「対立」へ/3 岸首相宛の石橋書簡発出/短命に終わった石橋内閣と岸の周到な戦略/沸き起こる岸・安保反対運動/石橋私信で打ち明けられた「秘話」/4 昭和天皇の岸批判の真意/天皇の人間的な基本姿勢を探る/戦争責任に対する見解と人物批評/5 石橋書簡の評価と意義/石橋と昭和天皇の関係性/歴史という法廷の判決はいかに/コラム1 「天皇メッセージ」と主権 河野康子/「天皇メッセージ」(一九四七年九月一九日)と主権──W・シーボルトの機転/ロバート・フィアリーと天皇の意向/講和交渉における主権とその後/第三章 岸信介と安保改定──皇室のアイゼンハワー訪日中止要請をめぐって 井上正也/1 安保改定と皇室/岸信介の決断/宮内庁からの圧力?/2 安保闘争の激化/安保改定の始動/五・一九採決の誤算/アイク訪日と安保闘争/ハガティー事件の衝撃/皇室からの懸念表明/岸信介の心境変化/3 岸政権の退陣/アイク訪日中止の決定/昭和天皇と岸信介/第四章 昭和天皇の御下問を読み解く──皇室の未来と政治との関わりをめぐって 小宮京/1 皇室の未来を憂慮する/憲法学者・佐藤功への御下問/王室と国民の関係/皇太子の結婚とイギリス王室の現状/「スエーデン」の女王制度の議論/君主制に対する危機意識/世界の君主制の潮流と向き合う/2 政治との関わりを模索する/追加の御下問/御聖断の条件/岸信介内閣の日米安保条約改定/昭和天皇が閣議で御聖断をくだしたら?/昭和天皇の焦慮と岸評価/なぜ岸評価が伝わっていないのか?/おわりに/コラム2 内奏とは何か 小宮京/天皇の地位の変化/令和の内奏/昭和の内奏/第五章 昭和天皇と田中角栄──皇室と政治の攻防 舟橋正真/1 天皇訪米問題/天皇訪米問題とは/田中角栄の「決断」/認識の乖離/政治主導への反発/昭和天皇の意向/政治主導から皇室主導へ/昭和天皇の「御判断」/昭和天皇の懸念/天皇訪米問題のゆくえ/昭和天皇の涙/2 内奏漏洩事件/日本国憲法下の内奏の定着/増原防衛庁長官の失態/昭和天皇の不満/政治的発言の否定/内奏漏洩事件の反動/おわりに/第六章 三木武夫と昭和天皇──解散総選挙をめぐって 竹内桂/1 日本国憲法下の衆議院解散/「七条解散」の定着/日本国憲法施行下の内閣不信任決議案の可決/日本国憲法下における唯一の任期満了による衆院選/2 三木武夫と昭和天皇の関係/昭和天皇への畏敬の念/昭和天皇への親近感/昭和天皇の三木への好感情/三木内閣の発足と外務大臣人事への介入の模索/3 昭和天皇在位五〇年記念式典と衆議院解散の問題/ロッキード事件の発覚と第一次「三木おろし」/第二次「三木おろし」/昭和天皇在位五〇年記念式典の影響/式典開催への執念/任期満了による衆院選はいつ実施されるのか/おわりに/コラム3 「おことば」とは何か──昭和天皇の「意思」とのあいだ 内藤一成/「詔勅」から「おことば」へ/「おことば」のつくられ方/「おことば」と天皇の「意思」/おわりに/第七章 「おことば」外交──昭和天皇の和解と苦悩 服部龍二/1 鄧小平来日と昭和天皇──福田内閣期/「不幸な出来事」/田島中国課長の証言/鄧小平の「感銘」、中曽根の伝聞/2 全斗煥来日と昭和天皇──中曽根内閣期/「不幸な過去は誠に遺憾」/中曽根の介入/韓国への思い/3 「戦争責任」の呪縛/訪米で自信を失う天皇──三木内閣期/「遺憾」を封じられる天皇──大平内閣期/「戦争責任のことをいわれる」──最晩年/おわりに/あとがき 小宮京/編・執筆者紹介/人名索引

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