内容説明
歴史と記憶、記号論、消費と労働、表象文化、都市空間…あらゆる思考の出発点、ヴァルター・ベンヤミン(1892‐1940)の主要作品群『翻訳者の課題』『歴史の概念について』『暴力批判論』『複製技術時代における芸術作品』を徹底的に読み解く。
【目次】
序論
言語について 2―『翻訳者の課題』を読む 後半
暴力について―『暴力批判論』を読む
歴史について―『歴史の概念について』を読む
メディアについて―『複製技術の時代における芸術作品』を読む
ベンヤミンを理解し、深めるための参考書
【著者プロフィール】
仲正昌樹(なかまさ・まさき)
1963 年広島生まれ。東京大学総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。
現在、金沢大学法学類教授。専門は、法哲学、政治思想史、ドイツ文学。古典を最も分かり
やすく読み解くことで定評がある。また、近年は、『Pure Nation』(あごうさとし構成・演
出)などで、ドラマトゥルクを担当。演劇などを通じて精力的に思想を紹介している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
56
思想家ベンヤミンのテキスト4種類を読む公開講義をもとにした本。ベンヤミン自身のことなどは軽く流されている。元々抽象的でユダヤ神秘思想などを前提にしている思想家のため、難解な既存の日本語翻訳文のほかに、著者が原文の該当部分を参照しながら詳しく解説していく。著者によるもっとふさわしい翻訳文なども。個人的にドイツ語は全く知らないせいもあるが、実に多義的な意味合いがあるテキストなのに驚く。難解であるがまだ初学者向けの内容のように思える。学問の厳しさを感じられる本だ。2017/03/17
ころこ
28
アカデミックに読むことの入り口にも到達していないのかも知れませんが、意味を限定される窮屈さを感じて読み続けることになりました。ベンヤミンの論考が短いため、誰でも何となく読み通せてしまうことに落とし穴がありそうです。恐らく、この様な読み方があって、はじめて在野の自由な読み方に多少の意味が与えられるのでしょうが…2020/05/06
またの名
12
左翼的誇大妄想を先回りして皮肉る仲正節は維持しつつも、いつもより控えめで解説に専念している印象。ベンヤミン自身がかなり個性的な左翼である上に、アドルノみたいな辛辣なイロニカーじゃないことも手伝っているか。岩波文庫の野村訳を参照しながら適宜独語原文に立ち返る読解を、ド素人だけでなく中級者以上にも手を抜かない勉強の意義を示してくれる巧みな語学力によって展開。アレゴリー状の表現スタイルと星座的イデアが織りなす入り組んだ主要四著作の本文に即した冷静な読みと明示されてない背景知識の説明とアクチュアルな解釈は、明晰。2016/09/08
yamikin
10
ベンヤミン解説書の中でも単なる概念紹介に留まらずにドイツ語やラテン語の語源にまで遡りながら解説する良書。本書に当たらないで岩波文庫のベンヤミンを理解できるとは思えない。「歴史の天使」、大学の授業で扱った時にはよく理解できなかったけれど、ようやくそれなりに理解できた。通読するのに時間はかかったけれど、中身も濃く充実した時間だった2012/02/28
霧
5
ドイツロマン派の研究が仲正の仕事のメイン(だったはず)なので、そこからベンヤミンがやったことを、流通している訳書の出来も含め、わかりやすく解説してくれている。『翻訳者の課題』、『暴力批判』、『歴史の概念について』はわかりやすい。その上で今日的な視点からベンヤミンの限界をたまに論じているのだけれど、実はメディア論なんかはもっと突っ込めるのではという気はする。2016/06/22
-
- 洋書電子書籍
- 競争法と民主主義:反権力の制度としての…
-
- 和書
- トンでるカラス




