急に具合が悪くなる

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急に具合が悪くなる

  • ISBN:9784794971562

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内容説明

もし明日、急に重い病気になったら──
見えない未来に立ち向かうすべての人に。

【濱口竜介監督 最新作】
映画『急に具合が悪くなる』
2026年6月19日全国公開
第79回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品決定!


哲学者と人類学者の間で交わされる
「病」をめぐる言葉の全力投球。
共に人生の軌跡を刻んで生きることへの覚悟とは。
信頼と約束とそして勇気の物語。

もし、あなたが重病に罹り、残り僅かの命言われたら、どのように死と向き合い、人生を歩みますか?
もし、あなたが死に向き合う人と出会ったら、あなたはその人と何を語り、どんな関係を築きますか?

がんの転移を経験しながら生き抜く哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねた人類学者が、死と生、別れと出会い、そして出会いを新たな始まりに変えることを巡り、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡。

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1便:急に具合が悪くなる
2便:何がいまを照らすのか
3便:四連敗と代替療法
4便:周造さん
5便:不運と妖術
6便:転換とか、飛躍とか
7便:「お大事に」が使えない
8便:エースの仕事
9便:世界を抜けてラインを描け!
10便:ほんとうに、急に具合が悪くなる

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宮野真生子(みやの・まきこ)
福岡大学人文学部准教授。2000年、京都大学文学部文学科卒業。2007年、京都大学大学院文学研究科博士課程(後期)単位取得満期退学。博士(人間科学)。専門は日本哲学史。著書に『なぜ、私たちは恋をして生きるのか──「出会い」と「恋愛」の近代日本精神史』(ナカニシヤ出版)、『出逢いのあわい──九鬼周造における存在論理学と邂逅の倫理』(堀之内出版)、藤田尚志との共編著に『愛・性・家族の哲学』(全3巻、ナカニシヤ出版)などがある。

磯野真穂(いその・まほ)
国際医療福祉大学大学院准教授。1999年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒業。オレゴン州立大学応用人類学研究科修士課程修了後、2010年、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は文化人類学、医療人類学。 著書に『なぜふつうに食べられないのか──拒食と過食の文化人類学』(春秋社)、『医療者が語る答えなき世界──いのちの守り人の人類学』(ちくま新書)、『ダイエット幻想──やせること、愛されること』(ちくまプリマ―新書)などがある。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

217
重い癌に罹りながら人に寄りかからない宮野さん。その気持を受けとめ問いを発しエールを送る磯野さん。これは哲学者と人類学者の往復書簡だ。医療の場では、死を意識した患者に状況把握・自己選択という重圧がのしかかる。その苦況に、文章を綴るという無限からの自己選択で立ち向かう。手紙を交互にやり取りするキャッチボールは、用意された選択肢の包囲を打ち破る一つの手掛かりかも知れない。肉体を持ち、どこに球が反れるか判らない人間の偶然性に賭ける。ただしこの戦いに勝利はあり得ない。そのことを肝に銘じつつ読み、友情に胸を熱くした。2020/03/05

アキ

127
やられました。感動して涙が止まりません。がん末期、医師からやんわりとホスピスのことを仄めかされる。痛みでモルヒネを使い始める。ケアをされる側になれば、終わりに向かって流れていく。しかし、現に私は生きている。彼女の研究テーマである九鬼周造「偶然性の問題」を引き、自らの乳がん体験を「全部見極めてやる」と覚悟を決めた。医療人類学者の磯野真穂との往復書簡は、当初のゆるさから徐々に加速度を上げて10便に至る。奇跡的な終わり方。「偶然を生きるとは出会うことである」「人は自らが紡ぎ出した意味の網の中で生きる動物である」2021/12/27

ネギっ子gen

111
ガンの多臓器転移を経験しながらも生き抜いた哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねる医療人類学者の二人の間で、「病」を巡っての言葉の全力投球が交わされる。死と生、別れと出逢い、そして新たな始まりに変わることなどについて、20年の学問キャリアと互いの人生を賭けて交わした20通の往復書簡は、生と死を巡るドキュメントとなり、病に面した一哲学者が「魂の人類学者」に寄り添われ、生まれてきた言葉の記録に。本書は、哲学者の逝去後に出版された。本書を読むことを通し哀悼の意を表するとともに、両著者の本を今後も積極的に読みたい。⇒2021/04/14

どんぐり

102
「急に具合が悪くなるかもしれない」という乳がんステージ4の哲学者宮野さんと「お大事に」が使えない医療人類学者磯野さんの往復書簡。2018年11月「からだのシューレ」ワークショップでの出会いに始まり、翌年7月に本当に具合が悪くなってしまい、この本が遺った。未来にはいつだって「死」はあるのに、ガンがあることによってその未来だけから今を照らすようなやり方に疑問を呈する宮野さんの言葉にこたえるように、「確率によって描かれる未来予想図は、どこまでいっても〈弱い〉運命論にしかなり得ない」という磯野さんの言葉が続く。22020/02/02

ゆう

77
トピックスが具体的かつ明確に説明される、前半も読み応えがありますが、手紙の形式にLINEの話題転換の飛躍を導入した6便以降が、さらに豊かな内容になっていく。そして本書の最大の飛躍たる、10章の「魂の分け合いの物語」にその形式は結実する。飛躍は、それ自体としては、荒唐無稽であり、論理的な意味・価値はそこに存在しない。けれど磯野真穂と宮野真生子という2人が生きてきた時間上、そして2人の関係性の中に現れてきたその時その瞬間に、その荒唐無稽さ・意味・価値は反転する。その瞬間の生がドライヴする感触に、ゾクっとする。2021/07/03

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