内容説明
本を読むとはどういうことなのか。読んでいるとき、私たちは何を体験しているのか。「読書とは〈パフォーマンス〉である」という概念を手がかりに、小説、人文書、マンガからハウツー本、楽譜、レシピまで、幾多の学問領域を渡り歩きながら、この世に存在する様々な本について考える読書の哲学/美学。本を読むことが無条件によいものとされる現代で、読書の意味を問い直す試み。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
79
誌友さんの紹介、新潮新書という要素が重なり手にした一冊。小説、人文書、マンガetc.の本を読むことの意味を、当人はあまり意識しないであろう側面から解釈する。著者はその道具立てを「パフォーマンス」ということばで表し、小説を読むときは小説の、人文書なら人文書の読みのパフォーマンスがあるという。面白いのは、読書パフォーマンスには書棚の整理や書店の棚巡りも含まれ、書店は自分の立場を固定せずに社会を盗み見ることのできる「盗み見民主主義」的な場でもあるとする。改めて本を読むことの意味や読書の形について考えさせられる。2026/07/07
みねね
44
空前の「言語化」ブームなのだなぁ〜と思うなど。漫画を読書時間に含める/含めないは仕事レベルでも出てくる議論なのだが、それについて美学的な視点から指摘があるのは面白かった。漫画はナビゲーションが強い、なるほど。/自分自身もインスタで本の感想をあげているのだが、ファッションで投稿作っているなぁという人へのそこはかとない嫌悪感、そういうものばっかり「伸びる」ことへの絶望にも説明がつけられている。読書はパフォーマンスであり、何を読むかと同じくらい読書「周り」の経験が重視されている、なるほど。2026/10/11
さぜん
43
「読書パフォーマンス」という観点で本とは何かを論じているのだけど、ちょっと理解不足で読了。だが、本や読書への愛は感じる。特に「書店は民主的空間のユートピア」というのはなるほどと思った。図書館もそうだが、その棚にはどんな国も、文化も、人種も、思想もあらゆるジャンルが一列に並んでいる。並列なのだ。上も下も差別も格差もない。(書店員の好みはあるかもしれないが)「書店を読む」という行為はわかる。私の場合は「棚を読む」かな。どんな思考でどんな意図があって本が差されているのかは興味深い。#Netgalley 2026/06/30
とも
30
本とは何か、読書とは何かを問い直す一冊。やや哲学より。 「読書はパフォーマンスである」は面白い。「マンガやレシピ本は読書に含まれるのか」は違うでしょ、と思う。「わからない本を読む楽しさ」は、そう。難解な本は楽しいのよ。 また、雑誌について語るパートで、著者の愛読誌として『SFマガジン』『小学○年生』『ファミ通』『Band Journal』が挙げられている。自分の読んできた雑誌とモロ被りで、親近感を抱いてしまう。 肩の力を抜いて読める読書論。2026/07/18
Shoji
30
意外に難解な本でした。哲学を感じた。九つの章で構成されています。それぞれの章で著者の言いたいことは、なんとなく分かったけれども、そこまで小難しく言わなくても良いだろうと思った。読み終えて、「結局、何?」が感想かな。著者は文中にこう書いていました。「分からなさを楽しめばよい、分かることを目指してはいけない。ざっと理解すればよい、とりあえずで良い」そういうことか。2026/07/07




