文春e-book<br> あなたが正しくいられたとき

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文春e-book
あなたが正しくいられたとき

  • 著者名:芦沢央【著】
  • 価格 ¥1,900(本体¥1,728)
  • 文藝春秋(2026/05発売)
  • ポイント 17pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784163921013

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内容説明

その正義、正しい? 驚愕の反転ミステリー

どんでん返し×驚愕の心理トリック そのときあなたの“正義“が揺さぶられる

『嘘と隣人』が直木賞候補、『夜の道標』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した芦沢央さんの最新短編集です。

日常に潜む人間の心の歪みや、「正しさ」が孕む危うさを鋭く描き出した6編を収録しています。どの物語も、登場人物が信じる「正しさ」が、思わぬ悲劇や皮肉な結末を呼び起こし、人間の心理を深くえぐる筆致に価値観が激しく揺さぶられます。

鮮烈な印象を残すのが、表題作の「あなたが正しくいられたとき」。
同窓会で再会した元カノ・黒川の娘が川に落ちるという、衝撃的な場面から物語は始まります。主人公の窪田はとっさに川へ飛び込み、少女を救助します。自らの行動を「正しい」と信じて疑わない窪田ですが、物語が進むにつれて意外な真相が明らかになり――。
「窪田くんは、正しい人だよね」「物語に出てくるヒーローみたい」と黒川に言われる窪田の「正しさ」とは何なのでしょうか。

現代社会の不安を巧みに掬い取った「立体パズル」もまた、忘れがたい一編です。
主人公の幼稚園児の息子と同い年の子どもが、「子どもは静かにするもんだろうが」と主張する犯人に殺されるという事件が起こります。
犯人はかつて神童と呼ばれたエリートでした。その犯人が、主人公が住む街をうろついているらしいという噂が流れます。子どもの安全を守りたいという親としての「正しさ」が行きついた先とは……。

本書に収められた6つの物語は読者の心に鋭い棘を残します。登場人物たちの行動は、決して他人事ではありません。損をしたくない、誰かを守りたい、過去の過ちを正したい――。誰もが抱く切実な思いが、「正しさ」という名のナイフに変わる瞬間を、芦沢さんは描きます。
あなたが信じる正義は、本当に正しいのか。読み終えた後、その問いが深く胸に突き刺さる、傑作短編集です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

さてさて

196
『自分が信じる正しさ』に問いを投げかける表題作は、自分の心の中に葛藤が生まれる瞬間を見る作品です。自分が信じる正義は本当に正しいものなのか、特にこの表題作ではそれが問われていきます。そんな表題作を含めた6つの短編が収録されたこの作品。そこには、芦沢さんらしく人間の心の闇を丁寧に掬い取っていく物語が描かれていました。『正しさ』というものを改めて問い直すこの作品。”振り返って考えてしまう”という独特な読後感が待つこの作品。“全ページ、とにかく不穏”という本の帯の言葉そのままに、読者の心を揺さぶる短編集でした。2026/05/22

hiace9000

152
正しさや正論の孕む危うさ、無意識下の昏い歪みが浮かび上がる怖気を“イヤっ”と読ませる芦沢さん未収録短編集。なかでも表題作は、正論が意図せず他人にかけかねない「呪い」を描き、最も"らしさ"を感じさせる仕上がり。「わたしはあんたの方がよっぽど怖いよ」という台詞が、喉の奥に刺さった骨のようにずっと引っ掛かり続ける。様々なアンソロジーでもひよっこり出会い、どこでも存在感を放つ著者だが、本作に収められた各短編でも独特の「芦沢味」の出汁がしっかり効いている。人間の心の深淵を覗き見るような、贅沢で恐ろしいアラカルト集。2026/07/06

いつでも母さん

147
芦沢さん、作家デビュー5年記念作品。短編6話。あとがきはご本人による解説付き。ごった煮のような短編集と仰っている。たまにのごった煮が好きです(笑)表題は巻頭作品。姉のなかなか厳しい指摘に私の気持ちもぎゃふんとなった。あぁ、そう来るかの連続の作品たちを堪能した。中でも特に心に残ったのは最後の『投了図』切なくコロナ禍の頃を思い出した。2026/06/17

タイ子

81
2017年から2026年まで芦沢さんが雑誌に書いた短編集6篇。タイトルの「あなたが正しく~」は人間の心理を付いた、読後なるほどって思ってしまう物語の落としどころのうまい芦沢さんらしい作品。「立体パズル」も同じように、読み終わって初めてストーリーの意味がわかってくるという面白さ。他に十時警部(私は初めてお会いしたのだが)の鋭い推理が面白く、これは長編で読みたくなる作品。デビュー15年という芦沢さんだけど、これからも読者を大いに楽しませていただきたい。2026/07/03

itica

74
短編集。どちらかと言えば後味の悪い話だったかな。著者ご本人が「ごった煮のよう」とあとがきでおっしゃっているように、内容はバラエティに富んでいるが「罪」と言う共通点があるように思う。印象に残っているのは切なすぎる『代償』と園児が出てくる『立体パズル』だ。 2026/06/26

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