ちくま新書<br> 兵庫県知事問題 失敗の本質 ――情報不信はなぜ生まれたか

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ちくま新書
兵庫県知事問題 失敗の本質 ――情報不信はなぜ生まれたか

  • 著者名:小林和樹【著】
  • 価格 ¥1,034(本体¥940)
  • 筑摩書房(2026/06発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480077516

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内容説明

謝罪すべきところで謝罪しない
報じない理由を説明しないマスコミ
知事に忖度し続けた側近たち
守られないプライバシー
過熱報道を生み出した調査
事実かどうかは二の次

自分の非を認めないこの国の体質!


一通の告発からはじまった兵庫県の文書問題。元々は県の内部の課題を指摘したものだったが、不適切な会見や対応がくり返される中、歯車が狂いだし収拾がつかなくなる。国の制度まで巻き込んだ騒ぎの中で、メディアはなぜ報じなかったのか、テレビは何を過剰演出したのか、SNSこそが真実なのか。この国の体質をあぶりだし、これからの国の形につながるこの問題、どこに「失敗」があったのかを掘り下げる。

===
【目次】
第一章 告発文書――知事とメディアの対応
第二章 情報発信に失敗した会見
第三章 反論から公益通報へ――高まる知事への不信
第四章 懲戒処分――くり返された誤ったメッセージ発信
第五章 “黒幕”とされた県議と疑惑追及報道
第六章 百条委員会設置へ――“政局”はなぜ生まれたか
第七章 初の釈明会見――説明責任は果たされたか
第八章 告発者の死と情報漏洩――書かなかったメディア
第九章 報道することで失われた信頼
第十章 メディアはなぜ誤情報を放置したのか
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目次

はじめに/第一章 告発文書──知事とメディアの対応/怪文書か告発か/「告発文書」をめぐるメディアの判断/知事は「告発文書」をどう扱ったか/知事の対応 リスク管理の問題点/なぜ告発者捜しに走ったのか/第二章 情報発信に失敗した記者会見/混乱のきっかけとなった会見/用意した回答以外の説明が命取りに/高まった告発文書の価値/知事の説明のままだった報道/なぜ記事に違いが出たのか/第三章 反論から公益通報へ──高まる知事への不信/元県民局長が知事と報道に反論/知事側近の「取るに足らない」という認識/「発言の正当性」と「調査の客観性」への疑問/公益通報は「懲戒処分を免れるため」だったのか/「 八百」の中に含まれていた事実/虚偽文書が告発文書へ/人事課の安易な記者への問い合わせ/第四章 懲戒処分──くり返された誤ったメッセージ発信/「風向きを変えたい」から処分は早まったのか/知事の直接的な指示ではない可能性?/文書問題以前の知事と側近の歪な構造/不十分だった調査結果/なかったことにされた担当課長の死/「根拠は特別弁護士」という主張が崩れる/「客観性の担保」はどこへいった?/なにもかもが説明不足/第三者委員会の設置へ/懲戒処分は妥当だったのか/第五章 “黒幕”とされた県議と疑惑追及報道/県議が実施したアンケート/なぜアンケートだったのか/SNSの“黒幕”言説は事実か/“おねだりの捏造”の経緯/それは“捏造”なのか/「疑惑の追及」の落とし穴/アンケート報道が生み出したもの/「いつになったら平穏になるのか」/第六章 百条委員会設置へ──“政局”はなぜ生まれたか/三週間で変わった“政治的責任”/それでも知事側の動きは鈍い/「兵庫に維新を入れない」/候補者をめぐる自民と維新の駆け引き/荒れた自民党県議団総会/なぜ知事は反発を招いたのか/「裏工作」の失敗/五一年ぶりの百条委員会/第七章 初の釈明会見──説明責任は果たされたか/知事が初めての釈明/「同じ説明ではないか?」/「なぜ一言がないのか」会見が深めた溝/会見が失敗した理由/第八章 告発者の死と情報漏洩──書かなかったメディア/告発者の死──変化した局面/死をめぐる言説は事実だったのか/「私的情報」をめぐる混乱/「一死をもって抗議する」/亡くなる以前の情報漏洩と“知事の指示”/第三者委員会の限界/本当の亡くなった理由/「意図を持った情報」の扱い/プライバシーがさらされる世界/「取材」と「情報漏洩」の境界/第九章 報道することで失われた信頼/過熱していくテレビ/テレビの“おねだり”報道によるレッテル貼り/“おねだり”を書かなかった新聞/止められなかったテレビという媒体/“おねだり”に頼らない道もあった/震災と児童殺傷事件の記憶/新聞も過熱した「アンケート」めぐる報道合戦/「職を辞すべきことなのか」/第十章 メディアはなぜ誤情報を放置したのか/報道よりSNSに情報を求めたのはなぜ/「事実はSNSで」──ナラティブを作り出した演説/「取り上げると有利に」/「プレイヤー」になったしまったメディア/報道の説明責任/「説明ジャーナリズム」の不足が招いた事態/SNSの言説とメディア/選挙中のファクトチェックがはじまる/メディアの敗北/おわりに/参考文献一覧

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

読特

33
贈答品の要求、パワハラ、キックバック…。根拠に乏しい告発文書を流布をしたとして断行された処分。果たしてその処置は妥当だったのか?公益通報者保護に該当しないのか?…ワイドショー枠に進出するニュース。分刻みの過酷な競争。報道規定遵守に拘ってばかりでいられない。視聴者を引き付ける「たかり」「おねだり」のワード。過度に悪人にされた知事。SNSで疑問が吹き荒れる。反発心がついには、再選に導く。県の将来という評価軸は軽んじられた。事実認識を歪めた伝統メディア側の一端の責任。綴られる反省。理解はするが、まだ足りない。2026/06/28

さとうしん

20
「オールドメディア」の側から兵庫県知事問題の展開を整理し、メディアの側の対応の問題点を指摘する。メディアの側が普段どういう方針で報道しているのかとかどういう視点で取材対象を見ているのかという点にも触れられているのが面白い。そしてネットメディアに対して「オールドメディア」の側が反省や自浄の動きがあるだけまだ信頼できると感じた。「確信犯」でデマをふりまく向きもあるネットメディア、そして市民の側には果たして反省や自浄の必要がないのだろうか?2026/06/15

どら猫さとっち

16
奥山俊宏「兵庫県告発文書問題」に続き、斎藤元彦兵庫県知事問題について取り上げた一冊。本書ではメディア・情報を中心に論じている。謝罪しない知事や側近たち。報ずるべき事柄を報じないマスコミ。事実よりナラティブを重視する情報。SNSやネットで苛烈する誹謗中傷や陰謀論。これらが、この問題に混乱をもたらした。知事や側近も罪は大きいが、メディアもそれ以上に罪深い。本書は情報について深く考えさせられる、稀有な存在だ。2026/06/20

九曜紋

9
兵庫県知事問題について詳細が知りたければ本書ではなく奥山俊宏著【兵庫県告発文書問題 なぜ日本を揺るがすのか】を読んで欲しい。本書は新書という紙数の制限があるなかで、一連の事件の経緯をある程度把握するにはあるいは読む意味はあるのかもしれない。しかしサブタイトルに「情報不信はなぜ生まれたか」とあるように、NHKいうメディアがSNSに敗北した要因分析と反省に主眼が置かれており、斎藤元彦氏の知事としての不適格性に焦点を当ててはいないからだ。奥山本は決して安くはない価格だが読む価値は比較にならないほど大きい。2026/06/17

氷柱

3
1283作目。7月4日のみ。作品を通して昨今の民主制のあり方や選挙の進み方に焦点が当てられる。全くニュースを終えていなかったのでどんな大事件があったのだろうとわくわくしながら手に取ったが内容としてはありきたりなもので、どちらかと言うとここ最近のネット文化込みの選挙戦略的なところに視点が落とされている作品であり、兵庫県の地域性に主眼が置かれておらず、全国通して当てはまることが一作を通じて述べられている2026/07/04

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