内容説明
わかり合えない他者を、敵にしないために。
分断が極まり、「正しさ」がSNSでぶつかり合う社会で、私たちは他者といかに語り合えるか。アメリカの哲学者リチャード・ローティは、共通の基盤なき世界でそれでも人が共に生きる可能性を問い続けた。その哲学から、分極化の時代を生きるための知的作法を鮮やかに引き出す。大好評だった『100分de名著 リチャード・ローティ『偶然性・アイロニー・連帯』』テキストを大幅改稿。死後に注目された「予言」や主著以外の発言にも光を当て、その思想の先進性をいま問いなおす。著者初の新書!
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
注目のキーワードの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タカナとダイアローグ
14
横浜でトークイベント参加できた!最前列。酒場をテーマに、会話(カンバセーション=共にいるという意味で、おしゃべりは本来の意味とはいえない!)について考えた夜。 「最高のお店!」は合意が難しいと思うけど、「居心地を悪くしない」共通ルールは同意できる。酩酊しないとか。 あと、ポロリとこぼした一言が、その人自身も相手も変容する可能性があることが重要だとのこと!頭の中にあるままでは、うちなる偏見や思い込みは変わる余地がない。 我が家はバザール‥と朱さんに相談した思い出。私が求めているのはクラブ‥?(スナック説)2026/05/22
たか
8
リベラリズムの掲げる正義への反発が広がり世界の分断が進む昨今だが、そうした普遍的な価値を退けリベラル・アイロニストとしての態度の大切さを説いたローティ。言論人としての発言は、文字通りに受け取ると意外なもので難しく、もしこの本の中で目にしたのでなかったら違う感想を持っていたかもしれない。ポストモダン的でありつつも、冷笑的にならず人類の連帯の可能性をちゃんと見ている人だったのだと思う。「会話を守る」という表現が良い。つい好きな作家に引き寄せてしまうが、ヴォネガットの「愛は負けるが親切は勝つ」を想起した。2026/05/28
武井 康則
7
なにがしかの真理に辿り着くことに意味があるのか。今の哲学で目の前の出来事に影響を与えることができるのか。すべての出来事は時空を超越したものでなく、必ず時代の影響を受けている。それを無視して遥かな高みを目指す意味があるか。それより、まず会話を大事にしよう。終局を更新し続ける。それに意味がある。本書でローティを引き合いに出してメッセージとしたのはそんなことだと思う。そしてここまで分極化した世界に有効なのは確かにもうそれしかないだろう。そんなこと無理だと言えば、後は諦めと絶望か。2026/06/06
ぐみ
3
★真理を探究しない哲学者、リチャード•ローティの言説を紐解いた本邦初の新書(らしい)。対話より会話をやめないことに重きを置く姿勢、クラブとバザールでそれぞれ善とされるものは変わるということなど、なるほどと面白く読めた。特に政治家が「われわれ」と「あいつら」を区別して民衆を惹きつけていく恐ろしさを実感しつつある昨今、ローティ哲学は義務教育必修では?と思った。2026/05/28
アルパカメタル
3
「ことばづかい」、単純な語彙ということではなく、どう言葉を扱うか、その態度を含めて。そして言葉は改訂もされていくべき。他者理解なんてものは存在しないが、どう他者と接続できるのか、そんなことばかり考えている今の自分にとってはこの本でローティとの出会いは大きい気がする。2026/05/28




