海外文学セレクション<br> 遠近法

個数:1
紙書籍版価格
¥3,080
  • 電子書籍
  • Reader

海外文学セレクション
遠近法

  • ISBN:9784488016951

ファイル: /

内容説明

ルネサンス期のフィレンツェ、10年以上もかけて描き続けているサン・ロレンツォ聖堂のフレスコ画の前でマニエリスムの画家ヤコポ・ダ・ポントルモが槌で殴打され、鑽で胸を刺されて殺害され、彼のアトリエにはフィレンツェ公コジモ・デ・メディチの長女マリアの顔をしたヴィーナスとキューピッドの猥褻な絵が残されていた。ポントルモを殺したのは誰か? いかがわしい絵を描いたのは彼なのか? コジモは信を置く画家で建築家で美術史家のヴァザーリに事件の解明を依頼する。ヴァザーリは、ローマでサン・ピエトロ大聖堂の建設に携わっているミケランジェロに書状を送り事件を知らせ、助言を求めた。ヴァザーリとミケランジェロ、マリアと遠縁のフランス王妃カトリーヌ・ド・メディシス、カトリーヌ・ド・メディシスとコジモの敵であるフランス軍元帥ピエロ・ストロッツィ……火薬庫のような当時のヨーロッパを舞台に繰り広げられた陰謀劇、恋愛劇・・・・・・。目もくらむような人物たちの書簡が全176通。事件は書簡で語られ、書簡で捜査され、書簡で解明される。『HHhH──プラハ、1942年』、『言語の七番目の機能』、『文明交錯』と次々に読者を驚嘆させてきた著者による、傑作書簡体歴史ミステリ。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

M H

25
ルネサンス期のフィレンツェを舞台に、フィレンツェ公コジモ・デ・メディチ、ミケランジェロ、ヴァザーリなど実在の人物が多数登場する。画家のポントルモが殺害され、アトリエにコジモの娘マリアの顔をした卑猥な絵が残されていた。謎を解くのはコジモに命令されたヴァザーリ。ほかにも陰謀や恋愛に彩られたドラマが展開されるが、176通の書簡のみという形式。決して読みづらくはなく、その人、その時代の規範と価値観が見えてくる。美術に造詣があればもっと没入できたかも。2026/07/22

スイ

16
書簡体小説が好きなんですよォ! 手紙で解き明かされる歴史ミステリと言われたら、手に取らずにはいられない。 舞台となっている16世紀フィレンツェと周辺の状況に詳しくないので、人物関係で混乱するかと思ったけれど、上手く説明を織り込んでくれていて飲み込みやすい。 真相はちょっと拍子抜けだったけれども、周りで起きていた陰謀や衝突が面白く、一気読みだった。2026/08/14

おだまん

10
書簡形式で表現されたミステリー。陰謀やロマンスが飛び交い、当時の雰囲気がとてもよく伝わってきました。核心に向かうにつれページをめくる手が加速度的に。知っている名前も時折出てくるのでその点も興味深かったです。2026/07/28

rinakko

9
頗る面白かった! どこか憂鬱で歪なマニエリスムの絵画に魅かれていることもあり、ポントルモ殺人事件をヴァザーリが調査をしてその相談相手にはミケランジェロ…なんて、それだけで読みたいが過ぎる。書簡体小説を読む醍醐味がぎゅうっと詰まった内容で、スキャンダラスな絵画をめぐる幾人もの思惑と陰謀が渦巻きながら流れ着く先(文字通り?)へ引き込まれた。とりわけマリアの遠縁のおばさまカトリーヌ・ド・メディシスが、期待を裏切らない悪っぷりでよかったw ポントルモの苦悩については、今の世も変わらないのだろうな…と思ってしまう。2026/08/14

Abercrombie

5
1557年のフィレンツェ、老画家の殺人事件と描き直されたフレスコ画の謎が、176の書簡により明らかとなる歴史ミステリ。ミケランジェロ、カトリーヌ・ド・メディシスらの書き手により描き出される、時代背景、陰謀、美術潮流が興味深い。2026/07/17

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/23372630
  • ご注意事項

最近チェックした商品