内容説明
どうすれば、自分の罪から逃れられるだろう
6年前、7歳の少女が車に轢かれて亡くなった。
引きこもりになった少女の姉、その姉を見舞い続ける友人、運転手の息子。
事故に関わる人々の過去と現在が交わるとき、衝撃の真実が明らかになる――
「死んだら永遠に休めます」の著者が贈る、
苦しくも温かい感涙必至のミステリー
「引きこもりの友人が、別人に入れ替わっている」
鎌倉の名門・冬汪高校に通う滝蓮司と卯月麗一は、学内便利屋「たこ糸研究会」の活動に勤しんでいる。
ある日2人は、1年生の曽我朝美から奇妙な相談を受ける。朝美は長年、部屋に閉じこもる幼馴染・新藤文乃とドア越しに対話を試みてきたが、先月、部屋の中から聞こえた生活音や差し出されたメモの筆跡が、明らかに文乃のものではないというのだ。
調査に乗り出す2人だが、文乃の引きこもりの原因を聞くなり、麗一の態度が一変する。文乃は、6年前の交通事故で妹を亡くしていた。そしてその事故には、麗一の父親が関わっていた――
つらい記憶に向き合う痛みとその先にある光を描く物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
タックン
118
題名に惹かれて借りた本。二人の高校生探偵物の3作目なんだね。冒頭のエピローグの事故が最後まで影を落とす。進学校3年の高校生蓮司と麗一の元に1年生の朝美から相談が上がる。あわせて高校で怪奇現象が出る。3人の目線で過去と現在を行き来しながらしていくと、6年前の少女の事故死が関係していてまた麗一の父も事故に関係していそうで。なんとなくわかるんだけど最後までぼかされ少しイラついた。最後に一気に真相がわかった時は想像以上で驚愕した。まさか事故が〇回だったとは!嘘が招いた結末が悲しい。いじめや虐待の闇が原因だよね。2026/06/22
シャコタンブルー
56
事故車に向けてシャッターを押す少年、真っ暗闇へ駆け出す少女、無残に散った6個のケーキ・・不吉な予兆のプロローグから惹きこまれた。過去と現在を去来しながら「その時」の状況や心理が次第に明らかになる展開が鮮やかだ。他人を貶めることで自分を正当化し、嘘に嘘を重ねながら日々を過ごすことは愚かさがナイフのように突き刺さる。恥知らずの親もいれば「父さん」のような無垢の愛情を与えてくれる人もいる。子供にとって親の存在は絶対だ。初めてできた友達との回想シーンは心が温かくなった。 2026/07/02
yukaring
56
あの過ちがなかったら…大切な人を失う悲しみや痛み、心を抉られるような人間ドラマとその先の光が描かれる苦しくも温かいヒューマンミステリ。そして蓮司と麗一の出会いが語られるシリーズ第3弾。冬汪高校に通う2人も3年に進級。ある日「たこ糸研究会」へ1年の女子が奇妙な相談にやって来る。そして一転して描かれる麗一の壮絶な過去や蓮司との出会い、そして 6年前の凄惨な事故。精神的にこたえる心理描写が重く心が折れそうだが、なぜか読むのを止められない。全てピースがピタリとハマる緻密な構成と希望が残るラストは不思議と爽やか。2026/06/05
さっちゃん
45
シリーズ第3弾。三年生になった「たこ糸研究会」の卯月麗一と滝蓮司は、一年生の曽我朝美から「幼馴染の新藤文乃が別人に入れ替わっている」という奇妙な相談を受けるが…。/1.2もヘビーだったが今作はさらにヘビー。朝美、麗一、蓮司の三人の視点から現在と過去が語られる。麗一の幼少期、麗一と蓮司の出会い、そして6年前の事故。朝美も母も他責思考になってしまうのも、年齢的に先を見通せないのも仕方ない面もある。でもそれがもたらす結果はあまりにも大きかった。罪から目を背けても罪は消えないし、死んだ人間は帰ってこない。→2026/07/11
糸巻
30
高校生男子・蓮司&麗一が属するタコ糸研究会に持ち込まれるトラブルや謎を追うこのシリーズも3作目。2人は受験生だ。1、2作目と面白かったので楽しみにしていたが、今作は麗一の出自だったり生い立ちに深く触れられていて非常に心が揺さぶられる内容だった。子供が傷付く話は本当に読んでいてしんどい。6年前に起きた事故の裏に隠されていた真実が明かされる。当時未熟だったからと言っても人の命が失われ、何人もの人生を狂わせる発端になったなら簡単に許されるべきではなく、これからも背負って生きていく責任があると感じられた。2026/05/17




