新潮文庫<br> 役者廃業・三婆(新潮文庫)

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新潮文庫
役者廃業・三婆(新潮文庫)

  • 著者名:有吉佐和子【著】
  • 価格 ¥781(本体¥710)
  • 新潮社(2026/05発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101132242

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内容説明

有吉さん、あなた小説を書いていなさるんですってねぇ――冬の夜に訪れた鮨屋の職人が語りはじめた、或る天才歌舞伎役者の人生「役者廃業」。金満老人が急死し、残された本妻・妾・小姑の駆け引きと、老いへの恐怖を映し出す「三婆」。攘夷女郎に祭りあげられた華魁・亀遊を描き、戯曲化もした「亀遊の死」。原爆のえぐる傷を克明に刻む「なま酔い」。若き日の著者の才能が輝きを放つ短篇集。『三婆』改題。(解説・奥野健男、渡辺えり)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

Shoji

30
昭和33年から昭和37年に書かれた有吉佐和子さんの短編が7篇収録されています。いずれも優劣がつけられない良作でした。私は有吉佐和子さんの描く人間模様が大好きなのです。「心のひだ」の描写は天下一品だど思う。有吉佐和子さんを思う存分に味わうことが出来ました。2026/06/12

ぐうぐう

28
女についてが描かれている。表題作である「役者廃業」に至っても、ある歌舞伎役者の半生が綴られているように見えながらも、読み終えると女の怖さが強烈に残る。続く「水と宝石」、そして「王台」などはその最もたるものだ。広島への原爆投下を主題にしている「なま酔い」はさすがに異なるが、それでもそこに女は登場する。中でも、もうひとつの表題作「三婆」は傑作だ。舞台化されて有名なタイトルだが、まさかこのような壮絶な話だとは思いもしなかった。(つづく)2026/08/27

shikashika555

27
昭和の女性作家の芯の太さよ。 短編7編どれも濃い。人間の心の綾と社会問題を同時に物語の中に詰めてくる。なのに読みやすく引き込まれてしまう。 「役者廃業」東京下町の小さな寿司屋、冬寒の夕に初老の主人の一人語り。なのに華やかな芝居小屋や楽屋裏の空気の濃さやの汗臭さまでもが感じられる。 江戸言葉のリズムがあらすじを支配している感じ。この語り口調であるから、その後ろに隠れた文化がより窺える。 言葉ってすごいな。 「三婆」舞台化もされている(未見)。 これは静かな戦後風俗の切り取りで怨憎会苦の物語。 鶴亀鶴亀。 2026/09/06

Inzaghico (Etsuko Oshita)

9
何度も舞台化されている「三婆」とはどんな話なのかを知りたかったのだが、いやはや。正妻、妾、義妹のそれぞれの思惑がぶつかって戦いとなり、それが本人たちが老境に入るまで続く。とはいえ、本作が書かれた昭和30年代後半は、60歳でもう老女扱いだ。そして老女らしく呆け、病を得て、怪我をする。それぞれの老いさばらえる様が仮借なく描かれている。 最初に収録されている表題作の「役者廃業」にもぞっとした。男の嫉妬は女の嫉妬より陰湿で怖いというのはよく言われるが、それを作品にしたのがこれ。2026/08/28

カノープス

3
各社から続々と新装版で出されている有吉佐和子。それを次から次へと買い求め夢中になって読んでいる。はっきり言って下手な現役の書き手のものなど不要と思わせるほどの面白さである。短編においても才気は爆発していて、多角的な視点(語り手・対話・時間跳躍)を用いながらテーマを凝縮し読後に余韻を残す技法、笑いの中に恐怖や哀しみを忍ばせ、読者を引き込むストーリーテリングが秀逸。そして、いつも読んで感じるのが戦争の影。戦争が個人の人生や社会に与えた影響を、歴史的背景や人間関係の中に織り交ぜて描く手法が本当に巧みだ。2026/07/26

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