内容説明
ニューヨーク・タイムズが年間ベストに選んだ傑作警察小説!
1986年、冬。スウェーデン首相が暗殺された夜に、寂しい寒村でひとりの女性が殺された。それは連続殺人犯の最初の犯行だった。しかし暗殺事件の余波で捜査は十全に行われず、第二、第三の事件を許すことになった。第一の被害者を救えなかった刑事スヴェンは姿なき暴行魔を単身、追い続けた。執念の捜査は警官となった息子ヴィダルに引き継がれたが……。
そして現在。作家である「私」はこの村に帰郷する。かつてスヴェンの相棒の刑事だった老女エヴィと私が知り合ったことで、ついに封印されていた恐るべき「罪」が姿をあらわしはじめる。
30年以上にわたる歳月、罪、秘密。最年少で最優秀スウェーデン・ミステリーを受賞し、スウェーデンと北欧のミステリー賞を総なめにしてきた最重要作家カールソンの出世作、日本上陸。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
93
北欧物の警察小説です。帯には「十年に一度の傑作」と書かれて「推定無罪」「わたしを離さないで」「ミスティック・リバー」「荊の城」を好きな人は読むといいといわれていますが若干期待過多のようです。警察官親子2代にわたる事件捜査が語られますがもう少し起伏があっても、という感じを持ちました。北欧警察小説というと、「特捜部Q」や「クルト・ヴァランダー」シリーズを思い起こしますがそれと比較すると・・・・。2026/05/14
ナミのママ
75
帯の「重厚なミステリをじっくり読む」がなければ飽きていたかも。とにかく長かった。警察官の親子2代が事件の真相を追う内容だが、それを現代の作家の視点からみるので私にはややこしかった。スウェーデンの当時の様子や、舞台となる街の風景、登場人物の心理が丁寧に描かれている。北欧ミステリらしい作品なんだと思うが、スピーディーな展開や派手なアクションに慣れてしまったせいか、なかなか作品に集中できなかった。以前なら夢中になれたかな。2026/06/06
yukaring
68
ある冬の夜、1人の女性が暴行され殺される。犯人は自ら警察に電話、そして次の犯行を予告する。罪と罰、そして真の正義とは…。人間の内面を鋭く描き出すスェーデン発の警察ミステリ。奇しくもスウェーデンの首相が暗殺された夜、警察署で犯人からの電話を受けた警官スヴェン。彼は生涯をかけてこの〈ティアルプの怪物〉を追い続ける。相棒のエヴィ、そしてスヴェンの息子ヴィダルを巻き込み事件は連綿と受け継がれていく。そして約30年後、この地を1人の作家が訪れる。彼が事件を再整理する中でたどり着く真実とは…。重量級の読み応えの1冊。2026/06/07
ふう
55
人は誰でも過ちを犯す。善良な市民でも、その市民を守る警察官でも。正義感ゆえに、罪を憎むあまりに、そして思い込みや無力感で⋯。誰にも知られずに葬られていたそんな過ちが、30年の年月をかけて徐々に光のもとへと引き出されてくる過程が、じっくりと描かれている作品でした。物語が終わりに近づくとき、いつもなら早く結末を知りたいと思うのですが、今回は読むのをやめようかと思ってしまいました。結末は知りたくない、と。想像どおりの厳しいものでしたが、でも、最後の13行で救われ、穏やかな気持ちで本を閉じることができました。2026/06/05
M H
32
刑事スヴェンが首相暗殺の日に起きた、第一の被害者を救えなかった殺人事件を追い始める1986年から息子のヴィダルが引き継いでそして、の2019年まで。折々にスウェーデン社会の変容や農村での四季、暮らしが描き込まれ読み応えあり。虚無的な感触や身近な人でもわかり得ない屈折を表現しようとするあたり文芸色が濃い。手放しに面白いとは言えないけれど心に残るものがある。2026/05/31
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