内容説明
精神分析の概要を体系的に語る,フロイトの代表的著作.下巻には第三部「神経症総論」を収録する.精神医学との相違に始まり,「無意識」の存在と働きを前提に,幼児期の性,抵抗と抑圧の機制,リビード理論など,分析療法の根底にある思考を丁寧にたどり,そこから見えてくる人間精神の新しい姿を伝える.(全二冊)
目次
凡例
第三部 神経症総論
第一六講 精神分析と精神医学
第一七講 症状の意味
第一八講 トラウマへの固着,無意識
第一九講 抵抗と抑圧
第二〇講 人間の性生活
第二一講 リビードの発達と性的編成
第二二講 発達と退行という観点,病因論
第二三講 症状形成の道
第二四講 通常の神経質(症)
第二五講 不安
第二六講 リビード理論とナルシシズム
第二七講 転移
第二八講 分析療法
訳注
解説
索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
斉藤達也
0
性欲という概念はフロイトが作ったものなのか?それ以前の書物には性欲という概念は無いような気がする。科学が発展し宗教を否定する傾向が強まった20世紀初頭、フロイトは性欲の解放を主張し、性欲を満足できない人間は神経症即ち病気だと言わんばかりだが、私は全く共感できない。最近の一連の某テレビ局の問題もこのような性欲を無限に肯定するような思想がもたらしたものではないか。私はカントに倣って、人間は性欲からも自由だと言いたい。2025/05/18
ZR
0
下巻では神経症に関する理論が展開される。神経症症状とは性的な代替満足であるというフロイトの考え方は、「汎性欲論」としてしばしば非難の対象となってきた。しかし、フロイトにおける性的なものの領域は、通常我われが考えているそれよりも大幅に拡張されており、幼児期における自体性愛的な挙動や性的探求、その後の性的編成の発展段階までも考慮に入れていることに留意する必要がある。こうした性的な欲望に関するフロイトの理論は、人間や社会の存在様式を考えるうえで、示唆に富んでいると言えよう。2024/03/16
色は匂へど散りぬるを
0
科学者を志す私は、如何にして新しい科学的発見をなせるかという疑問を抱き、心と精神の働きについてフロイトに問うてみようと思いました。本書から得られた重要な知見は、強烈な欲望(リビード)を孕んだ無意識が人間の自我を支配しているということです。芸術家はリビードを空想上で表現することに長けているため高い創造性を発揮することができます。ただ、科学においてはリビードはかえって科学的創造において足枷となるような気もしました。真の悟りが何によって得られるのかは、フロイト後100年経った今でも未解決の問題なのではないか?2024/02/12




