内容説明
日本人はなぜ「日本人論」が好きなのか? そこには西欧文明との遭遇によるアイデンティティの危機がある。この問題を出発点に、天皇と外来文化という二つの「権威」の交差と、それを「空気」として受け止める独自の社会構造から、日本人の無意識に作用する「見えざる原則」を探究する。渾身のシリーズ第一弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
52
これまでの著者の本では、詳しい論点については理解不足を感じることが多かったが、本冊は終始明快な論が展開され、知的感興を覚える。戦後論壇に蝟集した進歩派知識人についての考察や、著者の目に映じた近代市民社会の実像など、面白く読む。後半は、山本七平の『空気の研究』を手掛かりに、戦前に日本独自の「空気」が醸成された仕組みを考察する。戦後は、「天皇陛下万歳」が「民主主義万歳」に代わっただけで、本質は変わらないと言う。近代史殊に明治維新の捉え方に、小林秀雄や柳田國男、保田与重郎などが引用され、自分でも確かめてみたい。2026/06/18
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