内容説明
大江健三郎との絆、井上ひさしの忘れ得ぬ言葉、丸谷才一の凄み、星新一の威厳、小松左京の功績、桂米朝の教養、手塚治虫のもう一つの世界。漱石、芥川、谷崎文学の解読。『モナドの領域』『ダンシング・ヴァニティ』『聖痕』『大いなる助走』等の創作秘話。追悼、書評、解説、選評、インタビュー等から立ち上がってくる現代文学の核。そして筒井文学の秘密。文学愛好者、作家志望者必読のエッセイ集。(解説・上田岳弘)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
Vakira
54
筒井康隆さんの最新文庫。交遊録や読評などのエッセイ集。最新といってもエッセイ集なので書かれたのは2003年~2017年の頃。当時だって御老人なのに現在のお歳は91歳。素晴らしい。もう多分、小説としては読めないかなと思いながらエッセイを楽しむ。自分の知っている作家さんの話は嬉しい。小松左京、星新一、井上ひさし。おお~手塚治虫さんのエロティック逸話。へぇ~大江健三郎さんとお友達だったんだ。成程、純文学に挑戦した訳が判りました。不思議なのは大好きな安部公房さんの話はいくら読んでも登場しません。2026/05/15
tomi
31
平成の終わり頃に書かれた交友録や文庫解説、文学賞の選評など。お互いに影響し合った盟友・大江健三郎や井上ひさし、丸谷才一、星新一、小松左京らの交友録は、大江はまだ健在だったが、ほとんどが追悼文で寂しさが滲む。注目は谷崎潤一郎賞、三島由紀夫賞、山田風太郎賞の選評。第20回の三島賞の選評に、今までは候補者の悪口は控えてきたが、もう高齢なので言いたいことを言わせてもらった旨を書いている。それまでも辛口だった気はするが、推した作品でも評価の低い作品でもその欠点を丁寧に指摘している印象。2026/06/18
hanchyan@そうなったら最高だな!
27
♪男の子〜って〜少し悪い方が良いの〜♪というわけで。そのキャリアは波乱にして万丈、酸いも甘いも噛み分けた、御歳90にならんかなというお方を男の子って呼ぶのはいかがなものかと思わんでもないが、なんかそんな感じでした。読み進めるほどにいや増す『巨匠』感も納得するしかないと思う一方で、コレもしかしたらそんな風に演じてるんじゃね?と思ったり。三島賞と谷崎賞の選評をまとめて読めたのは僥倖。なかでも(大意)「『筆舌に尽くし難い』という表現を地の文で書くのは、文筆業のプロとして恥ずべき」は至言。マジその通りだわ(笑)2026/06/05
ゆるり
5
「カーテンコール」が最後って言ってたけど、やっぱり出ましたね。個人的には手塚治虫さん、星新一さん、小松左京さんのエピソードが面白かった。「モナドの領域」はぜひ読まなければと思った。「ダンシング・ヴァニティ」は再読しないとな。筒井康隆さん、長生きしてください♪2026/06/14
tsukamg
4
論、というほど大げさなものではなく、亡くなった作家の追悼文、他の作家の文庫に書いた解説、文学賞の選評など、2000年代半ば以降、小説に関係することについて書かれた文章がまとめらている。選評で作品を批判する時の抑制具合は、遠慮ではなく気遣いで、人ではなく作品を批判するという態度に徹しているため、罵倒やマウントとりは感じられない。こういうところが好き。あと、追悼文は、亡くなった人の功績を称えるより、自分がどれだけそのことのことが好きだったかを書いているようで、そこも好き。2026/05/22




