内容説明
学生時代がバラ色だった者もおそらくいるのだろう、人生で一番楽しかったと言う者も。しかし僕はずっと寂しかった。人との接し方を知らず、友達の作り方を知らなかった。むしろ同級生からは嫌われていた。それでも坦々とこなしていた学生生活を綴った『月がある』を含め、絡まりやすく悩みやすい人間関係を、怜悧な目線と高潔な文章で綴った三編の短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ごま麦茶
5
書店市で出会った本。家庭に問題があり、学校に馴染めず、人との距離のとり方のわからない優斗。いじめや虐待のことが多く書かれています。優斗の内面の寂しくてやわらかな部分を読みながら、なんだか自分の、人との関わり方で不安に思っていたところも見つけられてしまったような気持ちになりました。真っ直ぐに言葉が流れ込んでくる、不思議な読書時間。余韻がすごい…。読めて良かったです…!2026/03/10
Pipi⭐️ぴぴ@読書鳥
3
本に救われるとは、まさにこの事だ。「月がある」の優斗の不器用だが誠実な生き方が素晴らしい。人間関係がうまくいかず踠く姿が辛いが、そんな彼だからこそ人の痛みが分かるのだ。決して出しゃばらずに、傷ついた人に寄り添えるのだ。作者の魂が込もった良作!🐥🐥2025/09/13
emiho
2
あれ、なんでこんなに分かるんだろうな、と不思議な感覚。自分が小中学生の頃にどこかで感じていた「寂しさ」が心の片隅から湧き出てくるような。それは無かったと思っていたくらい、私には些細なことと思っていた、思うようにしていたものだったのかもしれない。そういうものが、とても丁寧な言葉で書かれていて、惹きつけられた。 私にもこんな寂しさがあった、でも私なんてこんなに恵まれているんだから、そんな寂しいなんて言う権利ないんじゃないかな、と押さえつけていた感情を見つけて寄り添ってもらえたような、そんな気がする。2026/01/23
anri0912
2
SNSきっかけ(X)で知り手に取った1冊。 居場所を探し続けている子供、 元子供たち(自分含め)に思いを馳せる。 「求めよさらば与えられん」の一文が思い浮かんだな。 『他人の悲しみの中に、人は簡単に踏み込んではいけないのだ。 それをしていいのは、火だるまになった相手が、それでもしがみつきたいと思えるような人だけなのだ』 この一文にグッときた2025/10/16
dokusho_st
1
この本には不思議な力があると思います。 物語に共感性は持てなくとも最後までこの本を読んで添い遂げたいという気持ちが芽生えてきて、この本を大切にしながら読んでいる自分がいました。2025/12/29




