内容説明
日本人はいかに「よく」生きようとしてきたのか
倫理思想史の大家による遺著にして最終到達点
日本人はいかなる思想を持って生きてきたのか。この問いを生涯をかけて追究した日本倫理思想史家による、遺著にして最終到達点。
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日本人とはいかなる思想を持って生きてきた人々なのだろうか――。その探究は「今・此処」を生きる「現存」としての日本人が、どのようにして「無窮・無辺な「時・空」」を志向し、いかなる「形而上の存在」を「夢想」して生の「究極の拠りどころ」を求めてきたのかを、過去にさかのぼって解明することに他ならない。本書は、倫理学者・哲学者として「よい「生」」とは何かを問い続けてきた佐藤正英の研究の最終到達点とも言える傑作。全面改訂版をほぼ書き終えたところで亡くなった著者の遺志を継いだ研究者による校訂を経た完全版。解説 上原雅文
目次
序章 倫理学とは/I 倫理の名辞/倫と理/「生」の様態/凡常さ/世外教と世教/II よい「生」/己れ/よい「生」/最高善/よい「生」をめぐる夢想/対象化/第一章 現存/形而上の存在/今・此処/無窮・無辺な「時・空」/第二章 〈もの〉との協和/I 外なる他である〈もの〉/〈もの〉との出遇い/刺激の群れの束/II 〈もの〉神の顕現/〈もの〉神/災厄/III 〈もの〉神を祀る祭祀/神殿/女人と〈もの〉神/〈神の女〉/〈もの〉神の祭祀/饗応/〈神の子〉/第三章 天空/地上/I 天空/高天原の祭祀者/対をなす神/II イザナキ・イザナミの子生み/イザナキ・イザナミの子生み/黄泉国/別離と情念/III 大いなるアマテラス・タケハヤスサノヲの子生み/大いなるアマテラスとタケハヤスサノヲ/うけひ/大いなるアマテラスの変容/タケハヤスサノヲと草那藝剣/IV ホノニニギ葦原中国へ/大いなるアマテラスを祀る/イワナガヒメとコノハナノサクヤビメ/V 神武天皇、ヤマトタケル/初代天皇/〈神の女〉の呪力/第四章 和歌・作り物語/I 和歌の発生/〈もの〉神の呪言/天皇と和歌/II 「花鳥風月」の成立/III 「もののあはれ」/真心/恋の歌/回折する情念/歌から物語へ/IV 作り物語/第五章 〈たま〉の転変/I 自である内なる〈たま〉/霊魂/〈たま〉の力能/営為としての業/業と応報/死/死歿後の〈たま〉/前生/宿業/II 「いのち」/第六章 仏の絶対知/I 釈迦仏/所伝/菩薩/II 大乗仏教の移入/聖徳太子/仏法の興隆/憲法十七条/III 大乗仏教の土着/最澄・空海/行基・八幡大菩薩/朝廷の国王・宮廷の〈神の子〉/御霊/第七章 大乗仏教の展開/I 極楽浄土・念仏/源信/空也・良忍/法然/親鸞/一遍/II 釈迦仏との出遇いとしての行業/道元/日蓮/明恵/隠遁者/第八章 武の呪力/I 鳥・獣・虫・魚との争い/外なる他である〈もの〉・〈たま〉/呪具/ひとと鳥・獣・虫・魚/鳥・獣・虫・魚との協和/占有をめぐる争い/II 「つはもの」・「いくさ」/III 武の様態/IV 擬制としての親族共同体/V 妻子への情愛/VI 「名」を惜しむ/第九章 武士の世/『平家物語』/『甲陽軍鑑』/『五輪書』/『三河物語』/『葉隠』/第十章 「気」・「理」の展開/儒学/心中/乞食/第十一章 村落共同体/I 家居/II 村落/村落の成り立ち/村落の〈もの〉神祀り/災厄への対応/村落の辺境/III 見知らない村落・町/家郷の外部/遊行者/第十二章 文明共同体/I 外発的開化/文明/有用な「知」と均質な物体/〈もの〉神の祭祀者から大元帥へ/神仏分離/国民道徳/II 身近な他者との融和/孤絶と供養/亡き子の幻影/ありていの本当/「次生」への夢想/III 有用な「知」の地平/〈もの〉から物体へ/同一律/有用な「知」と窮極の拠りどころ/IV 己れに回帰する「知」/V 倫理学構築の試み/西田幾多郎『善の研究』/和辻哲郎『人間の学としての倫理学』/終章 凡常な己れの地平/「文明共同体」の補完/形而上の存在との合一の夢想/注/解説(上原雅文)/佐藤正英 主な業績一覧/事項索引
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