内容説明
定時制高校に通いながら無職の父に代わり働く耕一郎は、ある冬、苦労して貯めた8万円が無くなっていたことに気づく。父に問い質すと、金を使ったことを悪びれもせずに認めた上に衝撃の言葉を言い放った。父を殴り飛ばした耕一郎は、雪の中に倒れた父を放置して故郷を逃げるように去る。しかし、僅かな所持金は瞬く間に減り、逃亡生活は厳しくなり、遂に金が底をつき、すべてを諦めようとしたそのとき、公園の隅、小さなホームレスの溜まり場から、ひとつの手が差し伸べられる。社会から切り離される圧倒的な絶望と、心と心が深く繋がるやさしさを描いた、25歳の若き著者による感動のデビュー作。第36回小説すばる新人賞受賞作!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
22
定時制高校に通い無職の父に代わり働く耕一郎。父から衝撃的に衝動的に殴り飛ばし逃げるように故郷を去る過酷な日々を描く物語。僅かな所持金は瞬く間に減り逃亡生活は厳しくなり、ホームレスの溜まり場にいる絶望の中で差し伸べられた手。身分を証明できない生活というものはここまで厳しいのか…と突きつけられる日々の末に、ようやく故郷へ帰る決意をした結末は想像していたよりもずっとマシで、彼の頑張りを見守ってくれた人もいましたが、不器用なすれ違いに対するやりきれなさはあって、いつか報われて欲しいと思わずにはいられませんでした。2026/02/20
B
0
読んでいて飽きがなかった。 故郷に戻って真実が明らかになってきた時には、やるせなさがあった。真面目すぎるが故の父への思いも印象的。2026/03/29
きっと
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読み始めてすぐに、よくある逃亡劇?と思ってしまったが、 ホームレス生活や人間関係の描写にひきこまれ、一気読みした。 作者25歳と知って驚き。他の作品も読みたい。2026/03/29
teruo morimoto
0
地図好きが故にタイトルに地図とあると買いがちです。本書がデビュー作ということですが、ジャンルでいうと家族の話になるのかな。 父親を殺して逃避行する前半の物語は時に辛い描写もあるものの、ホームレス生活があまりにもリアルに描かれているので、知らない世界ってまだまだあるなと思わされました。 後半に行くにつれ明るさをと自分の人生を取り戻していく様は、このままだと読んでてもしんどいと思っていたのでいいぞ、いいぞってなりました。 ラスト後の人生もきっといいものになるだろうと、思えた読後感がいい一冊でした。2026/03/28
珠叶
0
ある程度自分のメンタルが安定してるときじゃないと読んでて苦しくなりすぎる。 2026/03/26




