内容説明
「しなければならない育児、しなければならない家事、しなければならない仕事、それと並んでしなければならない不倫、でしかなかったような気がする」――二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが……。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた長編小説。
目次
第1話 生牡蠣とどん底
第2話 小さく肥えた羊
第3話 レモパワコロナバーガー
第4話 自戒三種盛り
第5話 ラストオーダー
第6話 ハンプティダンプリング
第7話 プルポとタコス
第8話 ナイトタイムトラベル
第9話 ライク ア タコス
第10話 網の上のホルモン
第11話 エビのミソはレバー
第12話 レモンの処遇
第13話 肉塊を吸った白インゲン
第14話 ゾンビが消えた街のガウディとマルゲリータ
第15話 あずきのない白くま
第16話 サーバーから溢れる慢心と郷愁
第17話 闇に蠢く愛おしい生き物の破片
第18話 渾然一体のバナナリーフ
第19話 ベースのカレーとsupernovaと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
41
バツ2のシングルマザー志絵は中学生の娘・理子と2人暮らし。仕事に精力的にこなし、大学生の蒼葉と付き合っている。そんな日々は恋と生活の折り合う場所を探す日々でもあるのですね。志絵と蒼葉の関係に戸惑う理子を見ていると、簡単に幸せをつかむことはできないものだと思いました。矛盾と割り切れなさがリアルに迫ってきます。ドロドロしてはいないのに凄いカロリーを感じる作品でした。面白かったです。2026/04/01
よっち
24
2度の離婚を経て中学生の娘・理子と2人で暮らすシングルマザーの小説家・天野志絵。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が周囲を巻き込んでいく家族小説。2人の元夫と相談しながら娘を育て、仕事にどっぷり浸かりながら大学生の蒼葉と恋人関係にある志絵。やたら理屈っぽいのに欲望に忠実で、時々情緒不安定になる彼女が尊重されるから成立する関係でしたけど、わりとふわっとした蒼葉や醒めた娘との関係を見る限りそう簡単なものでもないですね…。食事しながらの会話が中心のストーリーで、積み上げてきた作家の筆力を見せつけられる思いでした。2026/02/20
イシカミハサミ
20
「共感できない」ことと「作品が面白くない」ことを 同源であるというスタンスで感想にする人は ままあるタイプだと認識しているのだけれど、 そういった人を置き去りにすることに 一切の躊躇がない本だと思った。 作中でも(さらりとはあるけれど)語られている、 子どもが、今、食べたくないというだけの物を 「嫌い」「おいしくない」と表現するような。 好きじゃないなら「好きじゃない」と言えばいい。 迂遠さは美徳ではない。 そんなメッセージを感じたので直截な言葉で感想を。 人生は最低で最高だ。2026/04/22
dynabook77
8
この作品も金原ひとみ先生特有の比喩・描写が溢れ出てて最高。 主人公バツ2小説家志絵が付き合ってる大学生蒼葉との会話、中学生の娘理子と会話、作家仲間のひかりと和香との会話全てが疾走感があってかっこいい言葉の数々。 286㌻)志絵が小説家仲間ひかりとの小説に対する違いを >もし私が小説と激しい殴り合いやセックスをしたい人だとしたら、ひかりは小説をとろけるほど愛し尽くして周囲を綺麗に飾り付けて祭りあげるみたいな愛し方をする人だ。 凄くないすか?この文章😂 そして毎話お酒と料理が出てきて村上龍の小説を感じる2026/04/05
椎名
7
そもそも人生とは、時系列的に捉えるべきものではないのかもしれない。/この一文には本当にそうかもしれないなと思わされた。語り部となる志絵は小説家という職業もあってか言語化能力が高く、だからこそ一見筋の通った理論で武装しているが、その実はただ自己監視を挟んだだけの強い感情一本で生きているような人間だ。だから度々何かに激突し、曲がりながら生きていくしかない。しかしその中で得たこれだけで生きていけるという思い出を増やすこと、が人間が唯一できる自己救済であると思える。美しいラストだった。2026/03/23
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