内容説明
「しなければならない育児、しなければならない家事、しなければならない仕事、それと並んでしなければならない不倫、でしかなかったような気がする」――二度の離婚を経て、中学生の娘である理子と二人で暮らすシングルマザーの小説家、志絵。最近付き合い始めた大学生の蒼葉と一緒に暮らしたいと娘に告げるが……。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が、周囲の人々を巻き込んでいく。仕事、家庭、恋愛の全てが欲しい女たちとその家族的つながりを描いた長編小説。
目次
第1話 生牡蠣とどん底
第2話 小さく肥えた羊
第3話 レモパワコロナバーガー
第4話 自戒三種盛り
第5話 ラストオーダー
第6話 ハンプティダンプリング
第7話 プルポとタコス
第8話 ナイトタイムトラベル
第9話 ライク ア タコス
第10話 網の上のホルモン
第11話 エビのミソはレバー
第12話 レモンの処遇
第13話 肉塊を吸った白インゲン
第14話 ゾンビが消えた街のガウディとマルゲリータ
第15話 あずきのない白くま
第16話 サーバーから溢れる慢心と郷愁
第17話 闇に蠢く愛おしい生き物の破片
第18話 渾然一体のバナナリーフ
第19話 ベースのカレーとsupernovaと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
22
2度の離婚を経て中学生の娘・理子と2人で暮らすシングルマザーの小説家・天野志絵。恋愛する母たちの孤独と不安と欲望が周囲を巻き込んでいく家族小説。2人の元夫と相談しながら娘を育て、仕事にどっぷり浸かりながら大学生の蒼葉と恋人関係にある志絵。やたら理屈っぽいのに欲望に忠実で、時々情緒不安定になる彼女が尊重されるから成立する関係でしたけど、わりとふわっとした蒼葉や醒めた娘との関係を見る限りそう簡単なものでもないですね…。食事しながらの会話が中心のストーリーで、積み上げてきた作家の筆力を見せつけられる思いでした。2026/02/20
椎名
5
そもそも人生とは、時系列的に捉えるべきものではないのかもしれない。/この一文には本当にそうかもしれないなと思わされた。語り部となる志絵は小説家という職業もあってか言語化能力が高く、だからこそ一見筋の通った理論で武装しているが、その実はただ自己監視を挟んだだけの強い感情一本で生きているような人間だ。だから度々何かに激突し、曲がりながら生きていくしかない。しかしその中で得たこれだけで生きていけるという思い出を増やすこと、が人間が唯一できる自己救済であると思える。美しいラストだった。2026/03/23
dokusho_st
2
少し読みにくくて何度か挫折しかけました。 何とか読み切りましたが、結局何を伝えたかったのか最後まで分からないままであまりいい時間を過ごせたとは思えませんでした。2026/03/22
ふく
1
32026/03/26
スマイル
1
読み始めは、ちょっと面倒くさいかな?と思ったが読み進めていくうちに、言葉の滝に打たれたような作者の文章表現の凄さに惹きつけられ止まらなくなった。 そして、普段はあまりやらないがふと気に入った文章や、もう一度読み直したいと思うような文章に付箋を付けたのだが、実に10枚ほど付箋を付けてしまった。本当に見事な表現。解説にまで付箋を付けてしまった。 小説家の主人公と二人の友人らが、コロナ禍で管理された社会への爆発的な暴言は、自分も感じていたことを代弁してくれたようで、ちょっと嬉しくなった。2026/03/08




