内容説明
パク・チャヌク監督、イ・ビョンホン主演映画『しあわせな選択』原作。
アメリカン・ミステリーの巨匠の代表作。
2001年度「週刊文春ミステリーベスト10」第3位、「このミステリーがすごい!」第4位。
ゼロ年代ミステリーの戦慄の名作。
リストラで長年勤めた製紙会社をクビになったわたしは、妻子のために、ある犯罪計画を決意した。わたしと同じようなキャリアを持つライバルを一掃する計画である。わたしだったらきっと応募するだろう中途採用の求人広告を出し、届いた履歴書の中から自分より優秀な者たちを選び出し――
殺す。そうすればライバルは減る。
こうして優秀なビジネスマンにして心優しい夫であり父であるバークは、殺人に手を染める。恐怖に震え、段取りを間違え、返り討ちされそうになり……そうした殺しを重ねるうちに、彼のなかの殺人者が目覚めはじめる。果たして彼と彼の家族に穏やかな幸福の日々は戻ってくるのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
61
端的に言うと、リストラされた男が再就職のためにライバルを次々に殺していく話。冗談にしか思えないが、その狂った考えのために冷静に計画を練り偶然にも助けられつつ事件を成功させていく。それ以外の部分だと仕事にプライドを持ち、家族を愛する良き家庭人でもある所がそのサイコパス味を増々強めているなあ。ターゲットと話し親しみを覚えた後で容赦なく殺害する箇所とか。題材が題材だけにブラックユーモア色が強いのだが、読んでいるこちらとしては乾いた笑いしか浮かんでこない怪作でありました。あとAXってクビって意味もあったんですね。2024/08/02
みも
51
クライム小説と言うより、ある種のスリラーと言った方が的を得ているかも知れない。中流家庭の大黒柱を自認する自信家の男が馘首され、2年余り再就職が叶わず精神的に追い詰められた末、偏執的な思考に突き動かされ殺人鬼へと変貌してゆく心理的恐怖。ある意味どこにでもいるだろう平凡な男であるが故に、誰もが陥る可能性を示唆している。連続殺人鬼を扱う作品としては切り口や動機設定が斬新で、心理描写も狂気を露骨に前面に出す事無く趣向を凝らしている。砂の様にざらついた論理を極端に飛躍させ、詭弁を弄しながら強引に積み上げる。続き➡2017/03/26
GaGa
40
自分が再就職するためにライバルとなる人物を次々に殺していくという乱暴なストーリー。あまり笑えないブラックユーモア小説。解説にも書かれていたがタイトルは直訳の「斧」よりも「解雇」の方が合っていると思う。ありきたりの結末にしなかったラストには好感が持てる(というか、笑えた)2011/07/08
ニミッツクラス
38
01年(平成13年)の税抜667円の文庫初版。意外と登録数多くて、固定客いるのだなと再認識。そんなウエストレイク(=スターク=コウ=etc)のノンシリーズのロードマーダー物。リストラされたバークは再就職の邪魔になる同業者を殺していく。スターク名義の「悪党パーカー」では、主人公を組み易しと侮る同業者や舐めてかかる素人は、物語のスジとは別にキッチリあの世に送り込んだ。黒白ほども違う両者に漂う似た臭い…、パーカーで使い残した殺しのネタを本書で棚卸しした印象があるね。現在なら不可能犯罪ではある。★★★★☆☆2024/10/18
くさてる
37
リストラされた主人公が、ふたたび職を得るために選んだ手段は、自分と同じ技能と資格を持った、ほかの求職者を殺していくことだった……という設定だけを見れば、そんなバカなというお話だけど、それがすごい説得力とリアリティを持って語られて、一気に読みました。こっちの予想も何度も裏切るストーリーテリングが素晴らしい。ラスト、私はハッピーエンドだと感じたけれど、もしかして……と思った瞬間にぞっとしました。面白かった!2020/07/04




