内容説明
時は大正時代後期。山間の里に住む医者の息子・修一は、流浪の暮らしをいとなむ〈山の衆〉の少女に熱い恋心を抱きます。ひそかに持ち出した姉の市松人形を少女のもとへ届けましたが、気づいた姉は人形をかまどにくべてしまい、それきり少女は姿を消しました。あの子にもう一度、人形を抱かせたい――激しい想いに駆られ、人形師になるため家を出た修一は、魂をこめた「自分だけの人形」を完成させることができるでしょうか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
14
幻想的ですが、一途な恋物語として受け取りました。 偶然に出会った少女への思いは、その子のために持ち出した姉の市松人形が周一の人生を決めるまでに固くなっていきます。 家を勘当されてまで、周一の市松人形への執着は、姉と少女の前で焼かれた市松人形への畏敬だったのでしょうか。 古風な物語です、 その時の少女と再会できたのか、その時の思いに次の展開はあるのか、意味深なラストシーンでした。2022/06/21
河野孝之
1
大正時代後期の話と扉にはあるが、本文中には触れられていないので、ちょっと戸惑った。まったく関係ないが、関英雄の『ちいさな心の旅』を連想した。ヤマノシという設定は興味深かったが…。余韻を残す体言止めの作品だが、それがよかったどうかは悩ましいところ。主人公以外は、悪意ある救われない人物として描かれたままのように思えたのが、気にかかった。文章は練られていて達者で読ませるだけに三人称一人称語りではなく、あえて一人称であれば、気にはならなかったかもしれない。趣きのある佳作だと思うだけに蛇足まで。2013/07/07
だんまり
0
新しい本だけど、古っちいにおいのする物語。時代背景と言うか、そういう時代もあったんだよ。という基礎知識がなかったら、ちょっとわかりづらいかも?2013/07/27
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