内容説明
謎の失踪を遂げた探偵作家と、彼の未完原稿をめぐり起こる殺人事件――
小栗虫太郎『黒死館殺人事件』(1935)、夢野久作『ドグラ・マグラ』(同)、中井英夫『虚無への供物』(1964)は「日本ミステリー三大奇書」と呼ばれ、現在も人気を誇っている。
過去、多くの作家が「第四、第五の奇書」を目指してきた。
本作の主人公・倉賀野影比古もその一人。彼は敬愛する先輩・御霊神矢が失踪直前、「第●の奇書」ならぬ「最後の奇書」を名乗る『ナッハツェーラーの城』という未完の原稿を残していたことを知り、その完結篇を書き継ぐことを思いつく。
しかし御霊の遺族が住む「畸幻館」を訪ねた倉賀野は、そこで謎めいた連続殺人事件に巻き込まれる……。
はたして「最後の奇書」の正体とは?
〈新変格推理小説〉を標榜する注目の作家による、渾身の書き下ろし。
◆◆◆3氏推薦◆◆◆
竹本健治
飛鳥部勝則
白井智之
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装画は、国内外のメタル・バンドのアートワークを手掛ける画家・イラストレーターの江川敏弘氏。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
aquamarine
52
謎の失踪を遂げた探偵作家・御霊神矢と未完原稿。処女作以降書けていない作家がそれを書き継ごうと御霊の館を訪れ、連続殺人に巻き込まれる…。奇書と題名にあるから最初からそういうものだと構えて読んだが、それがなければ読み始めて途方に暮れただろう。そういう本だ。読んでいると三大奇書へのリスペクトが凄い勢いで押し寄せてくる。あまり覚えてないのに様々な場面でどの作品を意識したかわかるほどだ。そしてちゃんと読んでいて混乱する…。考えるほど深みにはまる時点でこれは奇書なのだろう。個人的には5つ目と数えるのはどうかと思うが。2026/06/05
雪紫
50
奇書から「失楽」ハブろうとしてる・・・でもそうはさせないとばかりに「失楽」がしがみついてくる。信頼出来ない語り手というより信頼されない語り手の奇書と理想への執着、被害妄想と言い切れない攻撃性、狂う頭と表紙が見事にシンクロ。いやマジで終盤はなんなんだ。奇書は論じ解体され、新たな奇書が・・・って感じはしないけど、混沌したものやこの物語は何処まで現実なの・・・御霊神矢の世界なの・・・?感は味わいまくり(個人的には何故「失楽」をハブろうとするかがああと思った)。あの御三方が推薦文をよこすのも「そりゃそうだ」感。2026/05/05
オフィーリア
46
洋館、斬首死体、精神を蝕まれた登場人物、衒学、幻想、これでもかと特盛のガジェットを詰め込み怪しい文体で紡がれる不気味で怪奇な物語。読者の現実認識までも揺さぶらんとする、〈奇書〉を名乗る矜恃は充分に感じられました。2026/04/19
さっちゃん
42
「最後の奇書」を名乗る『ナッハツェーラーの城』という未完の原稿を残して失踪した御霊神矢。倉賀野影比古はその続きを書こうと御霊が住んでいた「畸幻館」を訪れるが、連続殺人事件が起こり…。/書き下ろしの新変格推理小説。黒死館・ドグラ・マグラ・虚無への供物・匣の中の失楽に手を出せないヘタレな私でもなんとか大丈夫というマイルド系奇書で、最後は笑ってしまう余裕も。とはいえちゃんと読み取れたか自信はない。ただ、密室の謎はミステリ好きとしては「いやいやいや、無理でしょ笑」と言っておきたい。二日酔いの読書のような一冊。2026/05/28
koma-inu
34
令和に現れた、新変格推理小説。「最後の奇書」を未完で残した作家の事を知り、主人公が完結編を継ぐ事を決める。調査に訪れたクローズドの館で、連続密室殺人が起こる。帯推薦が竹本・白井・飛鳥部さんなのが渋い、渋すぎる。内容は奇書と呼ぶに相応しく、でもとっても読みやすい。3つの密室トリックは「あるかー!w」と超失笑ですが、本書のディープさには合ってます。私は三大奇書を読んでなかったけど、問題無く楽しめました。とにかくカオスで刺激的なミステリを読みたい方にオススメ!そうでない人はやめといた方が良い作品です😅2026/05/03




