内容説明
牧野信一,川端康成,太宰治,石川淳,小林秀雄,堀辰雄らの作品を精緻に読み解くことで,「私」を掘り下げていく自意識の追求が,遂には自己ならざる“何か”にまで立ち至る,逆説的な表現の構造を析出.近代小説特有のリアリズムが形成される契機を解明し,新たな文学史像を提起した記念碑的著作.(解説=十重田裕一)
目次
第1章 自意識の昭和文学――「序」に代えて
第2章 「小説家小説」の機能と特質
第3章 見 ることと見られること――牧野信一『西瓜喰ふ人』を中心に
第4章 「私」という名の〈象徴〉世界――川端康成と『抒情歌』
第5章 煙突の上に残された男――「転向文学」の周辺
第6章 自殺の季節――太宰治『道化の華』論
第7章 観 念と現実との〈あはひ〉にあるもの――石川淳『普賢』論
第8章 小林秀雄の〈自意識〉――『私小説論』への道程
第9章 現実への回帰――堀辰雄『風立ちぬ』を中心に
あとがき
岩波現代文庫版刊行にあたってのあとがき
解 説……………十重田裕一
索 引
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