転落男性論 - 孤立、暴力、ホモソーシャル

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転落男性論 - 孤立、暴力、ホモソーシャル

  • 著者名:西井開
  • 価格 ¥2,970(本体¥2,700)
  • 金剛出版(2026/03発売)
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  • ISBN:9784772421645

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内容説明

男性を縛ってきたのは、男らしさを達成したいという上昇の願望ではなく、ここから転げ落ちたくないという不安ではなかったか?
語られなかった男性たちの経験を〈転落〉の現象から見つめる、比類なき臨床社会学的試論。

単一のストーリーに落とし込まれて言葉の貧困に陥り、苦悩・葛藤する男性たちの経験を、社会的孤立、ホモソーシャル、加害者臨床、メンズリブ運動史、反差別への抵抗感、「有害な男性性」概念の批判的検討を通して見つめる。

集団内の序列化と排除および男性の行動に焦点を当てた第I部では、第1章「いかに男性は社会的孤立にいたるのか」において、集団から排除されて他者との関係を絶っていくメカニズムを考察し、第2章「脅威と承認のホモソーシャル」において、ホモソーシャルな集団性が男性同士のコミュニケーションを制限して暴力を導く力学を記述する。
差別・暴力・糾弾に怯える男性の課題を扱う第II部では、第3章「恐怖するマジョリティ、揺れるバイスタンダー」において、加害の引責の困難と第三者の介入による引責可能性を提示し、第4章「多様化するバックラッシュ」において、社会的公正に反対する男性たちの実践に着目する。
転落の恐怖への専門家の対応を論じる第III部では、第5章「とまどいを抱える――メンズリブ運動の再解釈をめぐって」ではメンズリブ運動の再検討、第6章「〈有害な男性性〉概念の陥穽、あるいは監獄」では心理主義的言説の功罪の検証、第7章「加害の地図を描く――DV加害者臨床における責任の生成をめぐって」では加害者臨床の現場から見える、男性の責任生成プロセスを分析する。

目次

序章 転落とは何か

第1部 集団と排除
 第1章 いかに男性は社会的孤立にいたるのか
 第2章 脅威と承認のホモソーシャル
第2部 差別と抵抗
 第3章 恐怖するマジョリティ、揺れるバイスタンダー
 第4章 多様化するバックラッシュ
第3部 運動と臨床
 第5章 とまどいを抱える――メンズリブ運動の再解釈をめぐって
 第6章 〈有害な男性性〉概念の陥穽、あるいは監獄
 第7章 加害の地図を描く――DV加害者臨床における責任の生成をめぐって

終章 転落の脱構築へ

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ナオミ

1
男性だからといって優越、権力、所有の志向性を必ずしも持ち得ていないが、序列化と排除の力学から逃れられない。だから「正当性・正常性」からの転落を恐れ、免責のストーリーを作りバックラッシュをやってのける。フェミニズムに関する本は読んできた。上野千鶴子はもごもごと言い逃れようとする女性をゴリゴリに問い詰めるが、男性学はそれでは前に進めない。令和だろうが男性の特権はまだまだ根深くある。適切に反省して前を向いて進むためにこれは誰もが読むべき本で、買って本当によかった。2026/04/09

キャラ

1
非常に興味深い。緩やかな排除とホモソーシャルのヒエラルキー。男とはこうあるべきだという、規範形成と押し付け。外縁としての女性性の輪郭の浮き上がり。「男性は内面の発露をしない」という孤独化の助長。であるのに、なぜその関りを捨てることはできないのか。ボロボロになりながらも、なぜ、その「男性性」を保持し続けてしまうのか。資本主義に飼いならされ、過剰に適応することがデフォルトになっている場合もある。生存者バイアスからなる倫理観が稼いでなんぼの強要を許す。他、学校で醸成される男性性、女性性やその逆境体験も気になる。2026/04/06

Sosseki

0
男性はパワーを求めでいるのではなく、マジョリティからの転落を恐れているのだという考察と臨床での取組みを記している。回りの男性は、昭和一桁の父親や主人、職場でも、人(特に女)に「偉そうに!」していた。自分の非や足らないことを認めない「弱さ」から来るとは劣っていたが、一歩進んだ恐れから来るという。ただ、女もマジョリティから外され、孤立する力学や、学校での問題の深刻さは、同じと思う。体格、体力、ホルモン等、生物学的な違いによる役割分担と、格差や公平さをどう考えればいいのだろう。2026/06/16

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