内容説明
「財閥」というジャーナリズム用語はいつごろから、どのような時代背景があって広がったのか。世間に「財閥」はどう映ったのか。「三大財閥」を中心に新たな財閥史を考える。
目次
第1章 いわゆる財閥考(一人称としての「財閥」;「財閥」という呼び名 ほか)
第2章 財閥とコンツェルン―いわゆる財閥考(承前)(「財閥」「財団」「コンツェルン」;「富豪」から「財閥」へ ほか)
第3章 財閥と持株会社(財閥本社と傘下子会社;「小宇宙」の形成 ほか)
第4章 「財閥満洲に入るべからず」(財閥批判と財閥転向;「財閥満洲に入るべからず」 ほか)
第5章 戦時統制経済と財閥―「住友戦時総力会議」について(ピラミッド型コンツェルン;戦時統制経済―統制会と軍需会社法 ほか)
著者等紹介
下谷政弘[シモタニマサヒロ]
1944年金沢市生まれ。京都大学名誉教授。経済学博士。前福井県立大学学長。住友史料館館長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
2
いわゆる財閥考:一人称としての「財閥」 「財閥」という呼び名 「財閥」という名の定着 財閥とコンツェルン―いわゆる財閥考(承前):「財閥」「財団」「コンツェルン」 「富豪」から「財閥」へ 財閥の類型化 財閥コンツェルンの一体性 財閥と持株会社:財閥本社と傘下子会社 「小宇宙」の形成 「財閥満洲に入るべからず」:財閥批判と財閥転向 「財閥満洲に入るべからず」 財閥資本の満州進出 戦時統制経済と財閥―「住友戦時総力会議」について:ピラミッド型コンツェルン 戦時統制経済―統制会と軍需会社法 極メテ異例ノ組織 2021/07/22
katashin86
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「財閥」なる用語の登場、その形成と変容。著者が籍を置く住友財閥の史料を中心に、祖業と派生していく新事業との関係、相次ぐ恐慌の中で買収により拡大していく業容、そして戦時統制による本社支配の動揺まで、戦前経済の中心としての財閥の姿をよく知ることができた。2022/01/29