内容説明
まったくこの世の中は、うまくいかないことだらけだ
ロープウェーの故障事故でゴンドラの中に閉じ込められた乗客たち。
その事故をきっかけに、たまたま乗り合わせただけだった者たちの日常が大きく揺らいでいく――。
逃げ場のないところから出られても、そこが平穏とは限らない
山の上の神社の秋祭りの日、ふもとと山頂をつなぐロープウェーが故障し、乗客がゴンドラの中に閉じ込められた。そこには、怪我をした看護師、子ども連れの家族、女子高生、スーツ姿の中年男性、老齢の男女らが乗っていたが、パニックに陥った女子高生が泣きだし、過呼吸を起こしてしまう。ゴンドラ内が騒然とする中、女子高生に近づいていったのは、ある秘密を抱える老婦人だった――。幸い大事に至らず全員が救出されたものの、乗客たちはその後、地に足のつかない日々に翻弄されていく。
偶然乗り合わせたロープウェーのゴンドラに閉じ込められてしまった人々。
乗客たちのその後の日常を軽妙な筆致で描いた書き下ろし長編小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
keisuke
4
初めて読む作家。ある街のロープウェイが止まる事故があって、それに乗り合わせた人たちがその後少し絡んだらして日常が変化していって…という話。短編で何人かの話が繋がる連作短編。どれも「この後どうなるの?どうするの?」というところで終わって気になったけど、それが本当に日常の一瞬を切り取った感でリアルなのか。別に叙述トリックというほどではないんだろうけど、少し印象で驚いた話もあって面白かった。2026/03/10
ぶんぶん
3
ロープウェーの故障事故でゴンドラの中に閉じ込められた乗客たちのその後。 それぞれの人生がこの事故で狂ったわけではないのかもしれないが、この事故の間に接点を持ったことで少しずつ歯車の噛み合わせがずれたのかもしれない。 ただどの登場人物にもあまり感情移入できずだったのはなんでなのか…。2026/03/10
らて
0
はじめましての作家さん。安西水丸さんっぽい表紙のデザインに惹かれた一冊。 稼働中のロープウェイが緊急停止。停止中のドタバタ劇なのかと思いきや、ゴンドラにたまたま乗り合わせ人々の救出後の物語でどれも意表を突く内容で面白かった! 何が起こるのか分からない人生は宙ぶらりんのロープウェイの箱の中のようなもの?! 絶句して終わる章もあれば、爽やかな前向きになれる章もあり、他の作品も気になる作家さんでした☺︎2026/03/22
環実
0
登場する人が加わるたび当時の状況が少しずつ明らかになる。タイトルから想像する事象を少しだけほのめかす。各章は含みのある閉じ方をする。二度読みして気づく苦苦しさ。わかりいいつながり物語ではない。毛糸玉のたごまりを解く端っこを見つけたような偶発からの奇跡、不遇からの必然、悟ってからはじまる。ピンチはチャンス、はいそうですか、と切り替えられない。ダメ男がいた。子どもの頃誘拐されかけた。妻は家を出た。新車が傷ついた。学校に行けなくなった。各人が持つホントウを知るたび厄介な他人も面倒な自分も毛糸の一端に見えてきた。2026/03/22
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