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内容説明
日本企業の多くが撤退を余儀なくされるシリコンバレーで
なぜYAMAHAはわずか1年半で成果を上げたのか――
世界中からスタートアップが集まるイノベーションの中心地で
著者が実際に手掛けてきたCⅤCの舞台裏を大公開
世界屈指のイノベーション中心地であるシリコンバレーには、スタートアップ、投資家、そして世界的大企業が集まり、技術・資金・人材が絶えず交差することで、新たなビジネスが次々と生み出されています。
近年、日本企業もこの潮流に乗り、世界の有望なスタートアップとの協業や投資を目的に、シリコンバレーへCVC拠点を次々と設立してきました。ところがその多くは、十分な成果を上げられないまま縮小、あるいは撤退しているのが現状です。情報収集にとどまり、現地の信頼の輪に入り込めない。あるいは有望なスタートアップと出会っても、日本本社の稟議や意思決定の遅さが障壁となり、協業の機会を逃してしまう――。こうした悪循環が「日本企業は動かない」という悪評を生み、さらにチャンスを遠ざけているのです。
本書の著者は、楽器製造を主軸に音響機器や音楽関連サービスを展開するヤマハにおいて、シリコンバレー拠点の立ち上げを任された人物です。もともとは欧州統括拠点でキャリアを積み、事業開発の最前線を経験してきましたが、CVC領域はまったくの未経験でした。それでも現地に飛び込み、起業家やVCと向き合いながら試行錯誤を重ねる中で、日本企業が抱える構造的課題を肌で理解し、突破口を見いだしていきます。
その実践から導かれたのが、「アクションファースト」という考え方です。シリコンバレーでは、準備を整えてから動くのでは遅すぎると著者は明言します。まず動き、関係をつくり、現場で信頼を積み上げながら戦略を磨き上げていく。この“行動を前提とした戦略設計”こそが、成果を生む鍵だというのです。実際に拠点開設からわずか1年半で10件を超える協業を実現。2026年には米国の音楽業界誌ビルボードが選ぶ「Billboard 2026 Finance 50 list」に選出されるなど、今や世界的に注目を集めるCVCファンドへと成長を遂げています。
本書は、日本企業がシリコンバレーで信頼を獲得し、スタートアップから選ばれる存在になるための実践書です。行動を起点に協業を生み出すためのフレームワークを具体的事例とともに解説しています。成果が出ない理由を構造からひも解き、次の一手を模索する多くの企業にとって羅針盤となる一冊です。
目次
PROLOGUE
CHAPTER1
なぜ日本企業のCVCは
シリコンバレーで成果を出せずに軒並み撤退していくのか
世界中のトッププレイヤーが集う、イノベーションの中心地
「成果が出せない」日本企業のCVCが抱える課題とは
エコシステムへの参入障壁が日本企業を阻む
アップスパイラルにシフトするための必須条件
悪評が相次ぐ現地のリアル
「戦略リターン」という曖昧な指標の呪縛
動くことを前提に戦略を描く、アクションファーストの法則で勝率を上げる
CHAPTER2
シリコンバレーでCVCを成功させる大原則“アクションファースト”
世界基準のスピードで戦うためにスモールスタートで実績を作る
目的が曖昧で「勝ち」が見えない。不安を抱えたままシリコンバレーへ
「表敬訪問は御法度」先行企業の失敗事例から学ぶ
「自社アセットを分析せよ」水先案内人からのアドバイス
「自社の強みは何か」アセットを分析し、CVC戦略を練り直す
シリコンバレーが見せる夢……日本企業が陥る「罠」とは
“スモールスタート”の原点となった1社目との協業
協業を前に進める「フレームワーク」の原型が出来上がる
【COLUMN】
より多くからより良くへ
科学と情熱で変革を導くCVCの使命
ベンチャー投資担当シニアディレクター ペイムン “PJ” アミニ
CHAPTER3
閉ざされたシリコンバレーのサークル・オブ・トラストに入り込む
行動力を示し選ばれる存在になるための人脈形成
シリコンバレーに存在するといわれる「インナーサークル」の正体
アクションファーストの姿勢が「信頼の輪」の入り口を開けるカギとなる
シリコンバレーの最初のキーマンとの出会い
ファンドの成否を握る「音楽業界トップの投資家」を採用せよ
トップ投資家を魅了したヤマハのアセットと信頼性
信頼を積み重ね、サークル・オブ・トラストの内側に飛び込む
人脈を形成するには出張先に水着とゴーグルを持参すること
ビジョンを語ってこそ人は動く
【COLUMN】
ハスラーがイノベーションのドアを開ける シリコンバレーで成功する人物像
Counterpart Ventures の共同創業者兼ファウンディング・ジェネラルパートナー
パトリック・エッゲン
CHAPTER4
フレームワークを駆使して優良スタートアップからの信頼を勝ち取る
数値で圧倒的な行動力を証明するための協業成立手法
シリコンバレーという大地で目的を見失わないための地図
ゴールへの道筋を明確に示す「4象限のフレームワーク」
4象限で見る、協業と投資の最適解
自社アセットを活用し協業で成果を上げる①「既存顧客×既存商材」
自社アセットを活用し協業で成果を上げる②「新規顧客×既存商材」
自社アセットを活用し協業で成果を上げる③「既存顧客×新規商材」
BMWが採用する「ベンチャークライアントモデル」とは
「いいとも」方式で社内課題を洗い出す
スタートアップと現場の橋渡しをし、協業を前へ
自社アセットを拡張し非連続成長へつなげる「新規顧客×新規商材」
本社・CVC拠点・投資家の三者が「同じ絵」を見て議論する
トップ投資家が選ぶスタートアップが持つ2つの共通点
世界に共通するCVC活動の本質と悩み
【COLUMN】
外の知を取り込むPepsiCoが示すCVCの次のステージ
PepsiCo テクノロジー戦略・パートナーシップ・イノベーション担当バイスプレジデント デイヴィッド・シュワルツ
CHAPTER5
協業を前に進め、その短期的成果を材料に社内を説得する
長期的成果を見据えて予算を確保するための交渉戦略
海外におけるCVC活動の「本丸」は社内説得にあり
活動の価値を理解してもらう「社内向けコミュニケーション」
現地の生の声を届け、心をつかむ「ポッドキャスト」
第三者評価を得ることで社内を味方にする「メディア戦略」
「現場を見せる」ことの圧倒的効果
「断られる理由」をつぶすオペレーション設計
「協業を任せれば間違いない存在」になるまで
【COLUMN】
本社との連携が価値を生む
Amazonが示すCVCとコーポレート戦略の一体化
Amazon Climate Pledge Fund 投資パートナー/女性創業者支援イニシアチブ責任者
フィービー・ワン
CHAPTER6
AIカメラ、アフリカ音楽市場の開拓、特許調査の効率化……
行動を原動力にヤマハがかなえた協業の成功事例とその舞台裏
「既存顧客×既存商材」で協業を生む原点となった「TuneForte」
“まずやってみる”アプローチで未開拓市場に踏み出した「Audiomack」
課題が明確な部門にこそスタートアップの技術はフィットする「DataFalcon」
「現場の課題」を起点にアプローチした初のケース「SimScale」
「3カ月派遣プログラム」で現場担当者自らが協業を決めた「Paxton」
共同開発で新規商材を生む「Boomy」との協業
東南アジア2億人にリーチ。Audiomackの再現を果たした「POPS」との協業
COLUMN 物語体験を進化させるテクノロジー
ディズニーが描くオープンイノベーションの未来
The Walt Disney Companyコーポレート・イノベーション担当 バイスプレジデント
デイヴィッド・ミン
CHAPTER7
アクションファーストで協業を「必然の成功」に
日本企業の再興はシリコンバレーとの協業で加速する
アクションファーストで「成功」を再現性あるものに
「So What?」でアクションにつなげる
アクションファーストを実現する現地の人材選定
チームで成果を生む、アクションファーストを実現する組織
「アクション」と「信頼」を軸にしたYMIのカルチャー
CVC拠点の成功に不可欠な経営層のコミットメント
日本企業全体に広がるべき「アクションファースト」という挑戦文化
EPILOGUE



