内容説明
二〇二四年三月二十三日。数々の傑作話題作を著した八十九歳の作家は、老いと戯れながら、愛妻や仕事仲間と美食を楽しみ、『百年の孤独』等現代文学を論じて倦まずにいたが、この日自宅で転倒して車椅子の生活となった――。しかし不敵きわまる作家魂でその日々を赤裸かつ挑発的に描き続けた空前絶後の老文豪リアルライフ!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
bura
82
副題は「老耄美食日記」2022年88歳の12月6日から2025年91歳の12月20日までの3年間に渡る御大の暮らしぶりを日々の食事とその金額を記しながら進めて行くエッセイ日記である。妻光子や家族、編集者達と食べる料理の豪華な事!その1回の料金に目玉が飛び出る。更に呆れる程の食事量。ただ亡くなった息子、伸輔が何度も夢に現れる件はやはり悲しい。3年の間、美食大食飲酒喫煙とやりたい放題の御大だが身体が弱り車椅子の生活となる。「この上酒まで禁止されたらあとに残る楽しみは死ぬことだけだ」…筒井康隆、まだ書ける。2026/06/13
keroppi
72
とにかくよく食べる。夫婦で毎日のように美食を繰り返す。外食だけでなくkinokuniyaで大量に買ったり、おせちを取り寄せたり。この年齢にして驚きの食欲だ。しかも、その金額まで書かれている、さすがの財力。身体を痛め、車椅子生活となり、高級老人ホームに入った後も美食は続く。このバイタリティから文章が紡ぎ出される。筒井康隆健在である。この年齢だからこその回顧や夢も織り交ぜながら、文章は走る。もっともっと読みたい。筒井康隆に枯れるなんてことはないだろうと期待する。誰も見たことのない老境を書き続けて欲しい。2026/05/14
メタボン
37
☆☆☆★ 筒井康隆の90歳にしての健啖家ぶりに驚く。妻の光子さんも80歳を超えているのに。ワインや日本酒を毎日楽しんでいるのもすごい。それにしても毎日の美食三昧。金額も掲載されているが、庶民の感覚ではとてもついていけない。最近は各文芸誌に毎月掌編を発表している筒井氏。全盛期にはとても及ばぬ出来栄えなのだろうが、生きている限り執筆して欲しいし、願わくば長編も読みたいものだ。2026/06/10
ぐうぐう
36
2022年から2025年まで、つまり筒井康隆88歳から91歳までの美食日記を中心としたエッセイで構成されている。とにもかくにもよく食べる(そのどれもが美食なのだから凄い)。美食こそが長生きの秘訣かと思えるほどの食いっぷりだ。とはいえ、少しずつ体調を崩すことも多くなり、愛煙家だった筒井が禁煙する事態が訪れる。筒井はこう書く。「この上酒まで禁止されたらあとに残る楽しみは死ぬことだけだ」とはいえ、喫煙は本数を減らしつつ継続中のようだ。美食日記の合間に挿入されている回顧的なエッセイも読ませる。(つづく)2026/05/12
やまねっと
26
さすが売れっ子作家はええもんばっか食ってまんな。羨ましいかぎりですわ。そんな美食三昧の中にいくらなんでも金の使い過ぎと悟って倹約するのだが、そんなに倹約でもないと思った。でも、もう先生も90歳。息子さんも亡くなり残す財産も使ってしまうに越したことない。しかも90歳を過ぎても創作精神は旺盛で掌編を発表し続けている。ファンなのでどんどん書いて欲しいが、貧乏人の小生からするとええもんばっか食べている自慢が卑屈に写ってしまうのである。先生も酒を止め、タバコはまだ旺盛に吸っておられる。それで90歳、空恐ろしい。2026/05/29




