背表紙の学校

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背表紙の学校

  • 著者名:奈倉有里【著】
  • 価格 ¥1,771(本体¥1,610)
  • 講談社(2026/03発売)
  • ポイント 16pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065428023

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内容説明

学校には存在しない教科を、町の本屋さんが教えてくれた。
『夕暮れに夜明けの歌を』『文化の脱走兵』の著者が贈る、待望の最新エッセイ集!

「私たちは家で、列車で、道端で、詩を読んだり聴いたり思い返したりしながら、ひそかに世界の声に共鳴し続ける。どこかからきた声は一瞬にして私のものになり、いつまでも残りながら、同時にほかのすべての人のもとに戻っていく。また誰かが、この不安なときを越えられるように。」(本書より)

不安な時代だからこそ、救ってくれる本と記憶がある。
明日がきっと大丈夫になる、心の明かりを灯してくれるエッセイ集。

【もくじ】
最初に読めなかった本/だいぶ奥のほう/きのこと詩を狩る/ややこしい山/笑わせたい/白鯨号、海へ行く/落葉注意!/真夜中の事実/背表紙の学校/ふつうの市民の市長選/拳を掲げた善だなんて/通学路の近道/はじまりを掴む/年老いた先生の繰り返す日々/砂糖の楽園/空港に急ぐ/名簿順に並ぶ/大人が笑うとき/不安なときを越えて/あとがき 脱走兵のスタミナ

【装幀】
名久井直子

【装画】
Mirjam Wilke

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

114
奈倉さんのエッセイは、なぜ、こんなに心に染みるのだろう。「記憶」と「意識」がキーワードかもしれない。奈倉さんは、「記憶」という淡くて甘酸っぱいものを、「意識」として知覚することを通じて言葉を紡ぎだす。ロシアの文学者による詩が数多く引用され、ウクライナ侵攻などへの言及も多いのは、ロシアの専門家としての奈倉さんらしいが、本書では、二年前に移住された柏崎に関するトピックスも印象に残る。私は、「最初に読めなかった本」「背表紙の学校」など、本にまつわるエッセイが好きだ。透き通るような静謐な文章に、心が癒される一冊。2026/06/06

とよぽん

57
奈倉有里さんは、ずっと気になっていた方。ロシアのロシアらしいところ、ロシア文学を学ぶ過程での様々な感受、政治体制によって失った友人、柏崎への移住、戦争に対する憤りなど、どの文章も優しさと芯の強さ、謙虚さ、豊かな感受性を読者に注いでくれる。ピュアな人柄が伝わってきた。2026/06/09

Karl Heintz Schneider

46
「あの頃の私は本屋にある背表紙をひたすら眺めていた。あれは私にとって『背表紙の学校』だったのかもしれない。」「日本の義務教育には『文学』という科目がなく教科書の中だとわずかな名前や作品の断片にしか触れることができない。」「でも町の本屋さんには存在しないその教科に登場するはずの作者たちの名前や題名を並べてくれていた。」新潟県柏崎市で幼少期を過ごした様子を描いたエッセイの短編集。一方ロシア文学者でもある著者は訪れた地での様子も交互に描いている。2026/05/29

いちろく

23
「すばる」「群像」に掲載されたエッセイをまとめた一冊。 著者のエッセイにはロシア留学時代の話をはじめ定番ネタがあるけれど、また違った側面から眺められるから既視感に近いモノを感じつつも飽きはない。むしろ内容を読むことをやめて、ふと考えてしまう点は著者の他作と変わらず。提示される内容に対して、自分ならどうするだろう? と考えてしまうことが多いのだ。だからこそ著者の作品も新作のたびに手に取ってしまうのだと思う。2026/04/29

ori

19
「文化の脱走兵」の続編エッセイ。残念ながら前作の頃から現実社会は良い方向に進んでいるとは思えない中で奈倉さんの真摯な気持ちがじんわり伝わってくる。「不安なときを越えて」が素晴らしい。不安を抱かずにはいられない日々において、SNSやネットで聴き心地の良い言葉に自分の気持ちが代弁されていると納得してしまう嘘にはやっぱり気をつけなきゃだなー。気持ちを表現するしっくりした言葉を安易に見つけてしまうことは幸せではないし危険だ。本を読んで人々が紡いできた言葉の中から自分で選びたい。それはもはや少数派なのかもだけど。 2026/06/27

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