内容説明
大宅賞作家、受賞後初の重厚書き下ろし!
「なめたらいかんぜよ!」
後に流行語にもなった、映画『鬼龍院花子の生涯』を象徴する名台詞に通底する精神が、既に高田の中に煮えたぎっていた。そして、このセリフは、『鬼龍院』だけでなく高田の脚本家人生そのものを表す言葉でもあった。(プロローグより)
『鬼龍院花子の生涯』『極道の妻たち』『仁義なき戦い 完結篇』『野性の証明』『十兵衛暗殺剣』『激突!殺人拳』『北陸代理戦争』『実録外伝 大阪電撃作戦』『復活の日』『日本の首領』・・・数多の名作の脚本を書きまくり、東映五十年を支えた脚本家・高田宏治に迫真インタビュー!
深作欣二、五社英雄、笠原和夫、岡田茂、日下部五朗、中島貞夫・・・・・・脚本術のすべてと盟友たちへの積年の愛憎を語り尽くした五十時間。
「自分から映画を企画したことはないな。ほとんどが、あてがいぶちや」--
脚本家は、思うままに自身の創作をする「作家」というよりは、注文に応じて組み立てる「職人」なのである。高田はその「職人」の最たるところであった。(本文より)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
130
主役である脚本家の高田宏治よりも、彼と関わった映画関係者のハチャメチャぶりが凄まじい。題名を思いついたら映画化させる岡田茂にヤクザとの関係を隠さず実録物をヒットさせた俊藤浩滋、女優に手を付けるのは当然と公言する日下部五朗や仲間を押しのけてでも自分を守ろうとする笠原和夫など、昭和の映画史で有名な面々はハラスメントのカタマリばかりだ。五社英雄に至っては悪名高いトラブルメーカーだったが、なぜか気が合って『鬼龍院』や『極妻』の名コンビとなった。高田は彼らと衝突したからこそ「なめたらいかんぜよ」と発奮し続けたのか。2026/06/03
ぐうぐう
29
『鬼の華 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』で脚本家を題材に一冊の本に仕立て、しかもそれが売れることを(と同時に評価もされることを)知らしめた春日太一が次なるテーマに挑んだのが、同じく脚本家だ。高田宏治は東映で名を成した脚本家であり、東映という映画会社にこだわり続けている春日にはうってつけと言えるだろう。御歳91歳、高田の臨場感ある詳細な証言は生き字引きさならがに、東映を丸裸にする大胆さと刺激、そしてある種の感動を抱かせるに充分だ。(つづく)2026/04/17
Go Extreme
3
源泉:50時間超の取材+生証言 軌跡:東映50年(任侠→実録路線→女性アクション) 精神:「なめたらいかんぜよ」=高田の人生+矜持 仕事観:作家マイナス我=会社注文に応じる「職人」 相関:高田⇔深作欣二+五社英雄(積年の愛憎) 総括:無頼な狂熱+精緻な作術=東映裏面史の傑作2026/04/26
tkm66
3
大作だった!時間が掛かったが読み応え充分。2026/03/21
小暮 宏
2
ちらちらとこぼれる思い付きのようなアイデアが、「罪と罰」の金貸しの老婆を若く美しい娘にするとか、ソーニャとだぶりはしないかと心配になるが面白い。「頭が牛身、体が人間黄金の小便をぶっかけて子分にする怪物、名前はガリレオ」とかほぼナンセンスなのだけどよく出るなと思う。2026/06/01




